2006年 12月1日 (金) 

       

■  〈盛岡市中央卸売市場〉地方化転換の議論尻すぼみ 市など一転慎重姿勢に

 200億円規模にも達する多額の債務を抱えた盛岡市中央卸売市場の今後を話し合う第3回活性化ビジョン策定会議は30日、同市羽場の同市場で開かれた。これまでの会合で地方市場への転換を主導してきた座長の細川允史酪農学園大学教授と市は、「まず地方化ありきではない」と発言を一転させ、議論は振り出しに戻った。地方化で集荷が鈍ると懸念する卸業者に配慮した形だが、来年3月までにビジョンが策定できるかどうか微妙になってきた。

  細川座長は会議で「盛岡市場を地方化すると言ったわけではないし、地方化ですべて解決するわけではない。利点も課題もある。しかし課題があるからビジョンづくりをしている。地方化ありきでは心から活性化に取り組めない。決まった形で地方化が流布されては困る」と述べ、地方市場への移行を主導してきたこれまでの発言と立場を異にした。

  これに対して盛岡水産物買参会の畠山尚巳会長は「これまで卸、仲卸、市でどういう話し合いを進めてきたのか。水産、青果でもう少し掘り下げた結果、会議で意見をぶつけ合うべき。決して地方化でないと繰り返すのは結局どういうことか」と詰め寄った。

  細川座長は「結論ありきではない。選択肢の参考としてのもの」と答えた。

  盛岡青果商業協同組合の出席者からは「市場としてどの方向に行くか。意思統一が図られていない。報道のみで地方化が先行しているのか」と疑問を呈した。

  細沼敏弘場長は「活性化は取扱高が増え、場内業者の経営安定化が一つ。もう一つは市一般会計依存度の解消。これで大まかに課題点がクリアできるのではないか。将来的にどうあるべきか時間はないが十分議論したい」と、年度内のビジョン策定を改めて主張した。

  地方化すれば、国の監督権限が県に移り自由度が増す。市場ニーズに柔軟に対応できる利点がある。国は取扱高や財務の健全性など一定基準を満たさない中央市場を地方化する方針を打ち出しており、自主的な判断によるものも含めると地方市場の転換は全国的に多数ある。

  卸業者は、地方化されることに伴う格下げ感に伴い産地からの集荷が滞らないか懸念を示している。

  細川座長や市側はこれまで、他市場の例から「地方に転換しても集荷に影響はないと聞いている」などと、同策定会議や市議会などへの説明で有効性や転換を促す発言を前回まで強調していた。

  しかし、市は自主的に地方市場に転換した大分の市場を11月16、17日に視察した結果、集荷への影響はないとしながらも盛岡市場の場合にも該当するか不明と判断。地方化議論に対して一転して慎重姿勢になった。

  市場法改正に伴い、09年度から中央市場も委託手数料が自由化され、市場間の競争激化が予想される。盛岡市場では半額免除されていた業者の施設使用料が4月から75%まで引き上げられた。08年度には全額徴収になる。

  新市場建設に投入した多額の債務返済、市財政への依存体質からの脱却、取扱高の確保と安定供給、それによる市場関係者の業績向上が急務だ。

  次回は年明けになる見込みで、開催期日も未定。活性化の具体策が年度内にまとまるかは不透明な状態だ。

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