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出町隼人さんの作品「中心差」 |
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盛岡市の出町隼人さんの個展「Etching works」が9日まで、同市上ノ橋町のギャラリー彩園子Uで開かれている。銅版画のエッチング作品13点が展示されている。
作品は「中心差」と「反復−軸」の2つのシリーズ。「中心差」は長方形の版を、1枚の紙に上下に刷って正方形の図柄を表現。「反復−軸」では正方形の版を回転させながら4回刷ることで、大きな正方形の作品に仕上げている。
「中心差」は「自分の絵の中で調和する点、中心をくっつけたり、左右対称を展開することで、新しい中心が生まれるのではないかという仮説の下に取り組んだ」というシリーズ。1枚の版を核にして、細胞が増えて展開していく。その過程で自然に、中心にも差が生じてくる現象を紙の上に写し取った。
「自分のイメージはたかが知れている。自分が全うしようとしたもの、自己実現の枠をはみ出しているものでないと面白くない」と思う。今回は、意図を自ら断絶するような、自分の中の他人に仕事をさせる感じで制作に臨んだ。そこから生まれた偶然性を取り込んで、作品化している。
銅版画はヨーロッパで発祥した伝統的な技法。長く受け継がれてきた技法を基に、新たなものを生み出せるのかと考えたとき、「古いものを壊して新しいものをつくろう」という考え方に無理があると感じた。
「古い建築を壊してしまうと、がれきになって誰も住めなくなる。そうではなく、古人の建築にくっつけて、少し差をつけて建てると、今の人も楽しめる。壊そうという観点ではなく、建て替えるのがいい」と思った。
同じ技法でも、当時と今ではその使い方や感じ方に差がある。伝統的な技法を使いながらも、個々の状況で差を付けることで新たなものを見いだせると感じている。
午前10時から午後7時(最終日は同5時半)まで。
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