ブルージュからゲントに繁栄の中心が移ってきた。まず知っておくべきことは、ゲントとは英語式の呼び方。フランス語式にはガーンといい、フランス語ではヘントと呼んでいる。
しかしここでも繁栄は長続きせず、レイエ川が土砂で底が浅くなり交易船が通れなくなった。三転して繁栄はアントワープに移る。
だがゲントでも全盛期に建てられた建物はそのまま残った。ゲントでは工業技術に重点を置く大学が建てられ、将来への新しい道が切り開かれた。
今日でも多くの国からこの大学に留学する。
「日の沈まぬ世界の皇帝」の誕生
この町はスヘルデ川にはさまれ、市内にはレイエ川の支流が流れ、中世にはにぎわったグラスレイ、コーレンレイ、それにクラーンレイといった名前の埠(ふ)頭がにぎわい、年代によって違ったギルド(職能組合)の建物が残った。
神聖ローマ皇帝だったカール5世がこの町で生まれた。その生まれた家は今ではレストランになっている。「カルロ・クウィント」という豪華な店。旅行者にはアフタヌーンティーで人気がある。この皇帝はハプスブルク王家のフィリップ・ル=ボーを父に、母はスペインの王位継承者の娘のジャンヌ・ド=カスティーユ。
しかし両親は早く死に、メッヘレン(ブラッセル中央駅から最大26分の町)に住んでいた伯母のオーストリアのマルガレータのもとで帝王としての教育を受け、16歳でカール5世は、オーストリア、旧ブルゴーニュ公領、スペインとその巨大な南北アメリカなど植民地を相続した。
かくて「日の沈まぬ世界中に広がった大帝国の皇帝」となる。しかもローマ法王から冠を授けられ、神聖ローマ皇帝の座に37年間就いた。
「神秘の子羊」の名作
ゲントの見どころは、聖バーフ大聖堂。ゲント市で一番古い教会で、カール5世が洗礼を受けたところ。ここにはヤン・ファン=アイク作の祭壇画「神秘の子羊」や、ベネルックス最大のオルガンもある。
ベルフォート(鐘楼)
14世紀にギルドたちによって建てられた6階建てで、高さ90メートル。エレベーターで昇ることができる。
望楼から三つ川の合流点がよく分かる眺めが見られる。屋根の下に53のカリヨンが定時になると厳かな音色を響きわたらせる。
尖塔(せんとう)には風見にもなるゲントを守護する竜の像がある。
市庁舎
4世紀がかりで建てられ、18世紀末には市会議員たちの住まいもあった。56の壁間に19像しかないのは、一揆によって工事が1535年に中止されたためだ。
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