2007年 1月 3日 (水) 

       

■ 中核市まで残り1年 盛岡市で移行準備進む

 盛岡市は08年4月、中核市に移行する。県から1939件の事務が市に移譲され、市保健所設置や廃棄物処理施設の設置認可、屋外広告物を市独自に規制することができる。住民サービスの向上や自立性を高め、地域間競争に打ち勝つまちづくりが期待される。市は3月議会に「中核市指定の申し出」を提案する。順調に進めば10月には指定について政令公布される。

 ■あと1年3カ月後

  谷藤裕明市長は03年11月27日、盛岡広域合併問題研究会で紫波町、矢巾町、雫石町、滝沢村、玉山村の首長を前に中核市への移行を宣言。合併を呼び掛けた。曲折を経て06年1月10日、玉山村との合併により、新生「盛岡市」が誕生した。

  全国の中核市は06年10月1日現在で37市。東北は秋田市と郡山市が97年、いわき市が99年、青森市が昨年10月にそれぞれ移行した。

  玉山村との合併により人口は中核市要件の30万人を突破した。誕生まで残り1年3カ月となった。

  ■2千件の移譲事務

  市には県から法定移譲事務1713件、県特例条例分合わせて1939件(06年10月末現在)が移譲される。

  このうち保健衛生関係は▽飲食店営業許可▽感染症発生時の医師からの届け出受理▽あんま、マッサージ指圧師など施術所の開設届け受理▽指定自立支援医療機関の指定など▽理美容所、クリーニング所の開設届け受理や停止・廃止命令▽温泉利用許可▽BSE(牛海綿状脳症)検査−など839件。これに県が従来通り許可などをする県特例条例分226件がある。

  環境では▽一般、産業各廃棄物処理施設の設置許可、改善・使用停止命令▽ダイオキシン類対策特別措置法に基づく特定工場への立ち入り調査−など369件。民生は▽民間助産施設、保育所の認可・指導監査▽無認可保育所の指導監督▽社会福祉法人からの報告聴取・立ち入り検査−など295件。

  都市計画・建設では、屋外広告物表示の規制や基準の設定を独自に条例化できるなど139件がある。

  ■中核市のシンボル

  保健所は盛岡市神明町の旧競馬会館ビルの土地・建物(鉄骨鉄筋コンクリート造り地下1階、地上9階建て)
を3億1935万円で購入。6億6千万円を投じて改修、耐震補強する。中核市のシンボルになる大事業だ。

  同市肴町の現保健センターが機能移転し、統合される。職員は4課、34人体制で対応する。

  建物は既存のエレベーター1基にストレッチャー対応の1基を新設。1階は健康測定・健康情報の各コーナー、子育てやデイケアに対応したプレイルームを設ける。2階は各種相談、申請窓口に夜間急患診療所が入居する。

  3階は各種検診、子育て相談などのフロア。4階は栄養、健康など各種教室、5階は細菌、理化学の検査室になる。6階が事務室、7階は約100人収用の講習室が設けられる。

  市は3月の当初予算に工事費を計上し、着工。08年1月の完成を目指している。

  ■たらい回しなし

  市長公室中核市推進事務局によると、たとえば身体障害者手帳の交付はこれまで市が申請を受理、県が決定していた。中核市になれば市が一括処理できる。処理期間が通常1カ月から半分に短縮できる。

  これまで盛岡地方振興局や盛岡保健所の窓口が市に切り替わる。市民が戸惑うケースは出てこないのか。複数の自治体にまたがる廃棄物処理施設や多店舗展開の理美容院、クリーニング店の設置許可は、市と県両方で手続きが必要になる可能性もある。

  中核市推進事務局は自治体をまたぐものは県、市それぞれの許可が必要になるが、既存の許可に関しては「みなし規定」で柔軟に対応するという。

  菊池典久同事務局長は「移行してすぐは慣れない。市民をたらい回しにしないよう、経過措置で対応したい。市または県で受け付ければ、もう1カ所で手続きしなくても済み、住民に不便をかけないよう県と方向性を協議していく」と説明する。

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