2007年 1月 3日 (水) 

       

■ ヨハネ受難曲に挑む 創立30周年迎えた盛岡バッハ・カンタータ・フェライン

     
  本番に向けて練習に力を入れる盛岡バッハ・カンタータ・フェラインのメンバー  
  本番に向けて練習に力を入れる盛岡バッハ・カンタータ・フェラインのメンバー
 
  盛岡バッハ・カンタータ・フェラインが今年、創立30周年を迎える。発足以来、常任指揮者の佐々木正利さん(55)の指導の下、一貫してJ・S・バッハの作品を中心にドイツ・バロック合唱曲の研究、演奏を行ってきた同団。その実力は超一流の指揮者やオーケストラとの共演、本場ドイツに招かれての演奏など、世界的にも高い評価を受けている。今回指揮者に迎えるヘルムート・ヴィンシャーマン氏とは過去5回共演し、バッハの4大宗教曲のうち3曲に取り組んだ。その最後の1曲となった「ヨハネ受難曲」を歌う記念演奏会は1月28日、盛岡市内丸の県民会館大ホールで開かれる。18歳から70歳代まで約100人の団員が舞台に上がる。

 同団は1977年「カンタータを歌う会」として約20人で発足。当時、東京芸術大学博士課程の学生で、声楽家としても活躍していた盛岡出身の佐々木さんに指揮を依頼。佐々木さんは月に1度、東京から片道約7時間をかけて盛岡に通った。

  発足当時からバッハのカンタータの勉強を開始。発声や声のつくり方、ドイツ語の発音などを佐々木さんが「一からたたき込んでつくり上げてきた」という。

  途中2年間のドイツ留学を経て、佐々木さんは82年から岩手大学に勤務。毎週の練習が可能になった。同大の教え子も入団するようになり、人数も充実してきた。

  その後、同団はH・J・ロッチュ氏やJ・ツィルヒ氏、岩城宏之氏ら世界的指揮者との共演を重ね、高い評価を獲得。91年のドイツでの演奏会では現地新聞から「作品の語感、音、そして精神の完熟」という批評を受けた。

  発足当時から現在まで参加している団員は5人。斎藤純子さん(ソプラノ)は「バッハの宗教音楽が好きだったので参加した。30年も経ったのかな。ただの途中という感じ」と感想。

  「団にとってヨハネは今回が2回目だが、バッハはその都度新しい発見がある。その時点では分からなかったことが、後になって分かることもあるし、同じ指揮者でもリハーサルと本番では違う。音楽は生き物。だからこそ本番が楽しみ」と練習に励む。

  桐原絹子さん(アルト)は「一番最初は下手な合唱団だったが、佐々木先生のご指導のおかげで、特に発音はどの先生からも褒められるまでになった。バッハが好きなので、今後も続けていきたい」と話す。

  渡辺信之代表は「ここまで続けられたのは、佐々木先生の力。先生が岩大に来てから、学生が多く入団するようになった。その学生が教職に就き、教え子が合唱団に入ったり、共演した児童合唱団の団員が大人になって入団してきたりと、輪ができてきたと感じる」と手応え。

  「佐々木先生が留学したドイツのデットモルトは盛岡よりも小さな街だが、大学などが集まる音楽のメッカ。いろいろな雑念に惑わされずに、純粋に音楽に向き合える。それが盛岡で佐々木先生が目指しているもの。今後も盛岡からローカル発信していきたい」と話す。

  管弦楽は東京バッハ・カンタータ・アンサンブル、合唱指揮は佐々木正利さん。午後2時半開場、同3時開演。入場料はS席(指定席)は6千円、A席(同)は4500円、B席(自由席)は3千円。問い合わせは同団(電話番号019−661−1614)まで。

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