第85回全国高校サッカー選手権は5日、準々決勝4試合が行われ、盛岡商(細川仁校長、生徒833人)は、広島皆実を1−0で下して初の準決勝進出を決めた。前後半を通じて攻守が入れ替わる激しい戦いとなったが、後半28分にスペースに出たボールを千葉真太朗選手がキーパーの動きを見据えてゴール右隅に決めた。盛岡商は初めての国立進出。準決勝は優勝候補に挙げられる八千代(千葉)と対戦する。
盛岡商−広島皆実戦は東京都世田谷区の駒沢陸上競技場で行われた。広島皆実は3年ぶり6度目出場で、ここまで優勝候補をいずれもPK戦で下して勝ち上がってきた。
この日、盛岡商の校舎には現地応援に行けなかった生徒や教諭らが駆け付けた。図書室に約30人が集まりテレビを見て応援。敵陣深く攻め込むたびに歓声が沸き上がった。
前半17分、相手DFの裏に飛び出したFWの東舘勇貴選手(3年)がうまくボールをコントロールしてシュートすると左ポストに。歓声と悲鳴が上がった。その後も広島皆実を攻め立てた。
後半に入ると試合の疲れからか中盤に拾われて攻め込まれるシーンが多く見られるようになった。
後半28分、後半から交代出場したFW大山徹選手がヘッドで左に走り込んだMF千葉選手の前に運び、千葉選手が右足で落ち着いてシュートを決めた。
テレビで応援していた生徒は飛び上がって喜びを爆発。重苦しい雰囲気が吹き飛んだ。この後も盛岡商は敵陣を攻め立てた。「あと10分」「あと5分」と残り時間を生徒たちが叫んだ。
3分の長いロスタイムを乗り切り、終了のホイッスル。図書室は拍手と歓声で沸き上がった。
小口佳美さん(2年)は「すごい。後半に入ってずっと押されているのでまずいと思ったが点を入れてくれると信じていた。すごくうれしい」とタオルでぬれた目を押さえた。
東舘選手の弟の東舘元樹君(1年生)は「小さいころから兄のプレーを見てきた。きょうの試合もスピードあってさすがだと思った。国立のピッチに立っても1点、2点と多くの点数をとってほしい」と期待を寄せた。
駒井孝平副校長は「学校全体が一体となって盛り上がったので勝てた。素晴らしい勝ち方だった。選手が頂点を目指すと言っていた言葉が現実のものとなってきた。ここまできたらぜひ優勝してほしい」と感動を言葉にした。
試合後、学校には一緒に応援に国立競技場に行きたいという生徒やOBの電話が殺到した。
いよいよ念願の東京・国立競技場での準決勝。対戦相手は丸岡(福井)を2−1で破った八千代(千葉)。第2試合で午後2時15分キックオフ。
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