2007年 1月 7日 (日) 

       

■ 菊池如水さんが宮静枝さんの詩画集原画展

     
  菊池如水さんと作品  
 
菊池如水さんと作品
 
  盛岡市の菊池如水さん(84)の試作原画展が18日まで、同市本宮4丁目のカフェ・クリンゲン・バウムで開かれている。菊池さんは戦後盛岡で暮らした詩人の故宮静枝さんが2001年に発刊した詩画集「さっちゃんは戦争を知らない」(熊谷印刷出版部)の3人の挿画担当のうちの一人。その収録作品を中心に20点の原画を、期間中入れ替えながら紹介する。

 宮さんは昨年暮れに96歳で亡くなった。1910年生まれの宮さんと22年生まれの菊池さん。15年ぐらい前、仕事で出会った2人はともに戦争を生き抜いた世代として意気投合。宮さんから挿画の依頼を受けた菊池さんは、宮さんの作品を一つひとつ丁寧に読み込んでからイメージ化したという。

  合わせた両手の中に、紫色の球体を宿した作品には「合掌のなかに平和の球が/永遠に生きるもの」とメッセージ。疲れ傷ついた兵士の列にも、平和を意味する球体の光が降り注ぐ。

  「生死のはざまに咲き乱れる花に心を和ます」と言葉を寄せた作品は、里山のふもとを彩る黄色の花の海を描いた作品。宮さんが会話の中で、ナノハナとヒマワリが好きだと言ったことからイメージを膨らませた。

  菊池さんは15歳のときに中国へ渡り、現地で徴兵。南方の島に派遣された。丸太とヤシの葉で造られた兵舎の中で2人だけになったとき、戦友が「どうして戦争をやらなければいけないんだ」とぽつりと言った。

  「戦地だから価値がある言葉。日本でそんなことを言ったら憲兵に捕まる。こいつはすごい男だなと思った。それが戦争をしている者の本当の気持ちだった」と菊池さん。宮さんの原稿を読みながら、その場面をありありと思い出した。

  「歴史はその人の人生をつくる。宮さんも自分も戦争の経験者。2度と戦争はやるもんじゃない」と強く願う。相手への愛と、そこから生まれる思いやり。それがあれば、戦争は起きないと信じる。

  「今展の目的は、あくまでも宮さんの作品を紹介すること」と菊池さん。だが、その挿画制作は、15歳から現在までの自分の歴史を振り返る機会にもなった。「今展を通して、皆がいろいろと感じ、理解してもらえれば大成功」と思っている。

  今展は、店内ギャラリーの展覧会としては100回目となる。午前11時から午後9時(ラストオーダーは同8時)まで。同市本宮4丁目20の6、電話番号019−656−5606。毎週月曜と第3金曜は定休。作品入れ替え日は9日、12日、16日。

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