2007年 1月 9日 (火) 

       

■  〈高校サッカー〉応援団2000人が歓喜

 【東京・赤坂史人記者】7日夜10時にバス10台で盛岡を出発した生徒ら応援団350人と教諭20人、父母21人らは8日早朝、東京駅に到着した。競技場に着いたのは試合開始の2時間以上前だった。

     
  応援団2000人が優勝の喜びに浸った  
 
応援団2000人が優勝の喜びに浸った
 
  ■盛り上がった応援団

  増田知事と谷藤市長も含め2千人を超える「サポーター」。県勢初の快挙に向けて応援席は盛り上がっていた。

  増田知事は「優勝旗を岩手に持ち帰るために、全員で力の限り応援しよう。おとといは最悪のコンディションでの試合だったが、きょうは快晴。お互い力いっぱい戦って岩手に勝利を」と選手と応援団を激励した。

  谷藤市長は「念願の決勝まで来た。後は勝つのみ。みんなで応援しよう」と応援団にげきを飛ばし「これまで盛岡商のサッカーは市民に感動をもたらしてきた。きょうの試合でもいいプレーを見せてほしい」と応援した。

  OBで現在、順天堂大学のサッカー部で活躍する福士徳文さん(20)は「今の盛岡商は全国で通用する。攻撃的なサッカーを見せてほしい。決勝戦に出ることができてとてもうらやましい」と期待を寄せた。

  ■試合開始

  大会のテーマソングとともに選手が入場してくると、応援席から「おお〜」と歓声が沸き起こった。対戦相手の作陽応援団より早く応援が始まり、選手一人一人の名を呼んだ。

  平成3年度卒業の千葉県柏市の熊林一彦さん(33)は「せっかく決勝まで来たのでぜひ、勝って優勝してほしい。東北らしい粘りのあるサッカーをしてくれれば」とグラウンドを見詰めた。

  キックオフから盛岡商が果敢に攻め込みチャンスを作ると、応援席からひときわ熱い声援が飛んだ。一進一退の攻防が続き、前半終盤立て続けに攻められる場面では応援席から「やだー」「やめてー」と悲痛な叫び。ピンチ場面をモニターで確認し「うわー」とため息に近い声になった。

  前半が終了して藤村健友キャプテンの父親の藤村一彦さん(48)は「大丈夫。予想通りの展開だと思う。選手は堅さもとれてリラックスして試合をしている」と話し、自分を落ち着かせるかのように何度も「大丈夫だ」「大丈夫だ」と繰り返した。

  いつも試合前にはモチベーションを下げないように気遣って電話はしないというが、今回は前日にメールを送って激励した。藤村選手からは、ただ一本指を立てた絵文字が何個も送られてきた。

  ■歓喜の後半

  後半、ミスを起点に作陽に先制されると悲鳴が飛び交った。しかし応援団の切り替えの早さもすさまじかった。悲鳴のあとは「頑張れー」「1点取りに行こう」「まだ時間はある」と涙を流しながら叫んだ。

  その後は応援団の願いの通りの展開だった。PKのチャンスを逃すも、その後の怒濤(どとう)の反撃。同点ゴール。田中久美子さん(1年)は「すごい。決勝に来るだけでもすごいのに。同点にしてくれた。優勝できるかも」と声を荒げた。

  後半40分の逆転ゴール。生徒は赤いメガホンをたたき、応援席は嵐のような騒ぎになった。そこからは「あと少し」「頑張れー」「もう1点」と、さまざまな声が飛び交った。

  ロスタイムには一体となって盛商コール。試合終了のホイッスルが鳴ると感極まった応援団が泣きじゃくり、嗚咽(おえつ)が聞こえた。

  準決勝で累積イエローカードのため出場できなかった東舘勇貴選手の母親東舘節子さん(40)は「感動した。一言おめでとう、お疲れさまと言いたい。いい仲間を持ってよかったねと言いたい」と感激。

  古舘海斗選手の母親は「息子はベンチを温めたが、みんなとともに厳しい練習に耐えてやってこられた。とにかくありがとうと声を掛けたい。厳しい練習にもかかわらず、3年生は一人も辞めずにやってきた。仲間に恵まれたチームと斎藤監督にお礼を言いたい」と涙した。

  藤村選手の父親藤村一彦さんは「チャンスはあったので、絶対勝てると信じていた。すごい子供たちだ。何とも言えない」と号泣した。

  選手たちが表彰台に上がり、優勝旗を掲げると競技場全体から歓声が起こり、拍手は鳴りやまなかった。

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