2007年 1月 11日 (木) 

       

■  〈お父さん絵本です〉141 岩橋淳 「ももたろう」

 あたらしい年の初めは、本朝一番のスタンダード・ナンバーでまいりましょう。

     
   
     
  ところで、この誰もが知っているはずの昔話の「どこ」がスタンダードなのか?ここではとてもご紹介しきれませんが、発祥の地、出だしから筋運び、お供の顔ぶれ、そして結末。果ては「猿蟹(かに)合戦」とのコラボまで、実にさまざまな桃太郎像があるんですね。

  本作は、江戸時代以降固定された「現代型桃太郎」バリエーションのひとつといっていいでしょう。昔話挿画の第一人者、赤羽画伯の筆も冴(さ)えます。…冒頭、桃が二つ(以上?)流れてきたり、自力で赤ん坊が生まれたり、結末の「略奪」が否定されたり(それでもお姫様はしっかりゲット)。「へえぇ」と感嘆しながら読むのも、また一興です。

  いったい、どれが「本当」なのか?…「本当」などない、というのが本当のところでしょうか。伝承物語の多くは、遠く中世の昔より、時代の要請によって生まれ、その時々の社会や人心に適合し、スタイルを変えながら生き永らえてきたのです。驚くべきは、物語としての「生命力」。しぶとく愛され、これからも「進化」し続けていくことでしょう。

  【今週の絵本】『ももたろう』松居直/文、赤羽末吉/画、福音館書店/刊、1050円(税込み)5歳〜(1965年) 

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