■ 〈品目横断的経営安定対策への取り組み〉1 農業の存続をかける
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大転換期を迎えた農業 |
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品目横断的経営安定対策が今年から始まる。同政策は1947年の農地改革以上の農政の大改革と言われ、農業者は大規模農家、集落による営農組合に実質的に集約される。中心となる農業者の大半が60代となり、多くの農家が後継者がないまま世代交代期を過ぎている危機的状況。大規模化や集落農業により効率化し存続をかけた取り組みを開始する。
国が策定した品目横断的経営安定対策は、これまで全農家を対象に行っていた米、麦、大豆等の品目の補助制度について農家自身が受け続ける場合、都府県は4ヘクタール以上、北海道は10ヘクタール以上、小規模な農家については営農組合(20ヘクタール以上)に参加することが条件。これ以外の農家はこの品目での補助を受けられなくなる。
制度の狙いは集約した農業展開によりコストを削減し、合理化することで農家の手取りを増やし経営基盤を強化すること。WTOの農業交渉を見据え競争力のある産業に変えていくためのものだ。
これにより農家は農業を続けるか、辞めるかの選択を迫られる。多くの農家は営農組合に参加することで先祖代々引き継いだ農地を守ることを選択した。
戦前までは多くの農地は一部の大地主が所有し、農地改革でようやく農地を手に入れた。自分の農地に対する強い思いが残っている。個々の農家の思いをくみ取り組織化することは簡単なことではないと各集落のリーダーは口をそろえる。
営農組合長の1人は「農業を続けるか辞めるかなんてことは国や他人が口出しできることではない。農家の側には、何で口出しをするのかという思いがある」と話していた。
また、農地・水・環境保全向上対策が来年度からスタートする。国は同対策を品目横断と車の両輪としての位置づけしている。
これまで農業施設は集落内の農業者が協力して水路に貯まった泥を取るなど管理していたが、農家の高齢化などで管理できる人数が減り、農家だけでは支えきれなくなってきた。一方、行政側では道路などの環境美化をしていた。それを含め、農家以外の人にも加わってもらい地域全体で地域環境を守ることが政策の狙い。
運用は活動組織の申請をしてもらい、組織に対して国が補助、制度を使う集落に対しては米、麦、豆類を対象に補助(減農薬・減化学肥料栽培をすることが条件)するという2階建て方式になっている。
1階部分は農業用排水路の泥上げ、草刈りを基本に、子供の環境学習、環境保全活動に活用していく。実際、農家以外の人でかかわりたいという人があり、その掘り起こしをしていく。10アール当たりの補助金は国市町村合わせて水田が4400円、畑が2800円、草地400円。2階部分は水稲が同6千円、麦・豆類が3千円。
この補助はコスト削減に取り組む営農集落にとっては魅力があるのだろう。盛岡地方振興局管内では11月末現在で189集落が制度利用を希望している。中には「制度の内容をよく分からないが、とりあえず申請した」という集落もあった。
一方で「制度の掲げている通りになるなら、素晴らしいものになるだろう。しかし、理想と現実は違う」と冷ややかな見方をする人もいる。
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