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イタリアは、流行とおしゃれの発信地。そのファッション界に欠かせないのが「香水」です。私の親友アンナピアのご主人パオロも、ここアジアゴの銀座通りに、素敵(すてき)な香水店を構えています。(=写真)
おしゃれに無頓着な私ですが、幼稚園から帰った次女ジュリアを抱き上げた時、ほんのり漂う、芳しい香りに惹(ひ)かれるようになりました。担任の先生が使っている香水なのでしょう。化粧のように自己主張せず、控えめで、周りの人々をも穏やかにしてくれるのでした。
香水は、イタリア語でプロフーモ。「煙を通じて」の意味で、古代人は香りの良い物を燃やし、神に祈りを捧(ささ)げました。
古代ローマでは、自身の証明や生命力の象徴として使われ、後のヨーロッパに欠かせないものとなりました。
ベルサイユ宮殿に君臨したルイ14世が、4年間も風呂に入らず、全身香水漬けだったとか。ナポレオンが「ケルンの水=オーデコロン」を愛用した話は有名です。そして今は、花・草・風など、自然そのものを表現する香水が注目されているということです。
果実、花、樹皮等から採る何千種ものエキス。1キロのジャスミンエキスに必要な花弁は600キログラム。3千種以上の香りを嗅(か)ぎ分ける香水創作者たちは「ナーゾ=鼻」と呼ばれ、香りの芸術家として、高い地位を占めているのです。
現代の商業主義を嘆くパオロですが「個人の美意識は生活感。家や街の景観までも支えているんだよ」と、その効用を語るのでした。
気さくで世話好きなアンナピアの愛用は、ベンゾイン。楠木(くすのき)科の樹木の大らかな香りに、胡椒(こしょう)や苔(こけ)類がミックスされています。
「サイコの性格は知り尽くしている」というパオロが、私に選んでくれたのは「エコー」。イチゴ、葡萄(ぶどう)、ベルガモッタ(洋梨の一種)の微妙に甘い香りです。ひと吹きで果樹園に入ったようで、私の装いの一つになりました。
(隔週火曜日掲載)
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