2007年 3月 4日 (日) 

       

■ 〈胡堂の父からの手紙〉101 八重嶋勲 高等紳士の意見を聞いたがやはり法科は…

 ■153半紙 明治37年6月6日付
 
宛 東京市小石川区竹早町百番地猪川方発 岩手県紫波郡彦部村
前略金拾壱圓送付シ(ス)、受領一報可致候、
新聞廣告ニ依レバ参考ニナルヘキ事件アリ切抜送付シ(ス)、
高当(等)伸(紳)士ノ言ヲ聞クモ法学ハ目下大不利益ナル咄シニ候、内務司法ニ他ノ顧問トシテ月三十円位(大学出身学士号ヲ有シ)数多アリ様ニ候、絶対的法科ヲ止シ(ス)方可然、
次ニ家内皆無事ナリ、目下田植最中、第二回国庫債権弐千円ナリ、右用事旁々、早々
   六月六日      野村長四郎
    野村長一殿
(新聞切り抜き同封 「二高入學願書に就いて」「帝國大學通則の改正」)
 
  【解説】「前略、金11円送付したので受領したなら一報せよ。

  新聞広告によれば参考になるべき事があるので切り抜きを同封した。

  高等紳士の意見を聞いたが、法学は目下大不利益ということである。内務司法に他の顧問として月30円位(大学出身学士号を有して)が数多くあるとのこと。絶対的に法科を止した方がよい。

  次に、家内皆無事である。目下田植え最中。第2回国庫債券2千円なり。右用事かたがた。早々」という内容。

  この時点でも、やはり父長四郎は、医学に執着し、法科は全く認めていない。

  一方、長一は少し前から、文科から法科に方針を変更したのであろう。

  大蔵省は、この年の第2回国庫債券1億円を6月10日発行。応募額3億2219万余円、実収額9201万円。日露戦争に備えるものであったのであろう。

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