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「立冬過ぎて」 |
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雫石町のアトリエ谺舎(こだまや)主宰の画家、中原佳雄さん(67)の水彩画展「この冬〜今、過ぎようとする季節の色や光のさざめきを追って」が15日まで、盛岡市本宮4丁目のカフェ・クリンゲン・バウムで開かれている。同会場では昨年に続き2回目。今年の1月から2月にかけて描いた風景画を中心に、15点が展示されている。
中原さんは東京出身。開発が進み、自然が急速に失われていくことに嫌気が差して、48歳で退職。以後は日本中を車で回り、12年前から同町に居を構えている。
最近、逃げてきたはずの問題に直面させられることが多い。町中にクモの巣のように張り巡らされた電線、乱立する高層建築、自分勝手な色に塗られた民家の屋根や壁。「町を取り巻く山々の風光の素晴らしさは他県に類を見ないほど素晴らしいもの」だが、その景観への配慮がまったくないことに疑問を感じている。
同町商店街の風景「ふるさとの山」や「町からの岩手山」では画面から電線を排除。「素晴らしかった城下町盛岡も、いま沢山(たくさん)のマンションやら、何やら、時代の要請に応じて、せっかくの景色や叙情を無視した建造物が建ってゆきます。多くの人たちから、その寂しい嘆きの声を耳にします。最も人々にとって大切な情緒を失ってしまうのではないですか?」と言葉を寄せた。
「立冬過ぎて」は同町大村の風景。柔らかな冬日に輝く夕暮れの枯れ野の風景は、強烈な郷愁をかき立てる作品だ。中原さんの少年時代は東京も、近くの川でウナギを手づかみで取れるほどのどかだったという。「立冬過ぎた枯々の野道を、独り泣きながら遠く歩いた」という懐かしい記憶。そのとき感じた「何も言わない自然からの大きな包容力」を思い出とともに画面の中に閉じ込めている。
午前11時から午後9時(ラストオーダーは同8時)まで。月曜定休。同市本宮4丁目20の6、電話番号019−656−5606。
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