カーニヴァルは、誰もが待ち望む冬最大の行事です。期間は約1週間。春の復活祭の前40日間は肉食を断ち、慎み深く過ごすのがカトリックの教え。だから、その前に、たくさん肉を食べ、ばか騒ぎをするのです。
ここアジアゴでも、花火大会や山車パレードで連日にぎわいます。初日は、幼稚園も学校も仮装で登校、そして、3日間の連休。長女ルチアの学校では、宿題がないばかりでなく、教科書もカバンも学校に置いて帰ります。「勉強を忘れて、遊びなさい」というのです。
アジアゴはベネト州。水の都ヴェネチアが州都です。わが家から車で1時間半と身近なので、ヴェネチアのカーニヴァルに毎年のように出かけます。今年も、世界中の観光客で、街は溢(あふ)れていました。
ヴェネチアのカーニヴァルの起源は中世。闘牛や鐘楼での綱渡り、雌猫殺しの見世物、大道芸人も出て、人々は一晩中踊り狂ったといわれます。しかし、19世紀にナポレオンに占領され、カーニヴァルは中止。以後200年間行われませんでした。
復活したのは、ほんの30年前。市当局と民間が協力し、大変な予算を注ぎ込んで、街中に600もの芝居小屋などを企画し、復活を試みました。それが、大成功したのです。
このカーニヴァルに欠かせないのが仮面。身分を隠し、精神的にも自由になるためです。庶民は貴族に、男は女に、老人は若者に。衣装もレンタル1日何万円もするものから、手作りなどさまざま。これで変装して、街に繰り出し、秩序のない享楽に浸るのです。〔写真〕
中世の貴族や道化師、バロック調のドレス、黒マントに仮面の人々が、迷路のような小路(みち)のあちこちから現れ、観光客の前になり後ろになって、サン・マルコ広場に向かいます。まさに街ごと劇場の舞台です。
わが家の小さな娘たちも、露店の絵師さんに唐草模様を顔に描いてもらい、仮装の仲間入りをしました。
(隔週火曜日掲載)
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