2007年 4月 1日 (日) 

       

■ 岩手大学演習林が「文化財の森」に選定

     
  ふるさと文化財の森に指定された滝沢演習林のアカマツ  
 
ふるさと文化財の森に指定された滝沢演習林のアカマツ
 
  文化庁の「ふるさと文化財の森」に滝沢村の岩手大学滝沢演習林と二戸市の浄法寺漆林が選ばれた。文化財の修復に用いる材木を供出する森として、文化庁は滝沢演習林のアカマツなど全国8カ所を選定し、27日に認定書を交付した。修復に外材を充てている文化財もあるため、純正の国産材を使って日本の伝統建築のオリジナルの姿を残そうとリストアップされた。盛岡高等農林時代から1世紀にわたる森づくりの価値と実績が認められた。

 ふるさと文化財の森は本県の2件のほか福島県下郷町の大内宿茅場、福井県小浜市の羽賀寺・明通寺境内林、岡山県吉備中央町の吉川八幡宮・八幡神社・大和神社の境内林の計8件が選ばれた。国宝や重要文化財などの建造物を修理し、後世に伝えるためには木材の檜皮(ひはだ)、茅(かや)、漆など資材の確保と技能者の育成が求められる。文化庁が原材料を通じて文化財保護への理解を深めるために今年度初めて指定した。

  演習林は藩政時代から造成され、国有林として盛岡高等農林が管理した時代を経て、現在は四十四田ダム西岸の一帯に岩手大学の林学研究の場となっている。ふるさと文化財の森には270ヘクタールのうち8ヘクタールが指定された。

  岩大農学部の山本信次助教授は「160年以上のマツが集団で残っているのは滝沢演習林と西根の県の生態系保護地域と久慈の侍浜だけ。アカマツは基本的に荒れ地に生えるので、森林利用が激しかったときに林が作られた」と話す。

  南部鉄器の燃料などとしてアカマツが増殖し、県木として全国に知られるようになった。近年はマツクイムシの被害が本県に北上してきたが、盛岡以北は寒冷な気候が広がりを妨げている。健全な松林として演習林が評価された。

  山本助教授は「土台には水に強いクリなどを使い、柱は縦に押されたときに強いスギやヒノキ、アカマツは横架材として横に使う。しかし最近は日本の文化財にも米マツを使うなどしているという。樹齢80年から160年のアカマツが生えている一帯の木材を、文化庁の求めに応じて切り出す。

  山本助教授は「文化財を作っている素材の大切さまでようやく目が向いたと感じている。岩手大学の森林づくりの成果が認められ、地元の人も価値に気づくきっかけになれば」と期待している。

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