2007年 4月 1日 (日) 

       

■ 〈雑誌創刊号の話〉300 成ケ澤栄治 「アニメーション」

 「日本のアニメ映画は危険だ!」と、中国が難癖を付けようとも、日本のアニメは世界一です。

  その先駆けは、昭和52年の松本零士「宇宙戦艦ヤマト」です。宇宙の侵略者から地球を救うためにイスカンダル星に向かう、宇宙戦艦ヤマトの活躍を描いた冒険物語です。日本の進歩的文化人の一部は、愛国心を煽(あお)ると批判しましたが、ささきいさおが歌う主題歌もヒットして、小・中・高校生には大人気でした。

  昭和55年1月、『アニメーション』(A4判・66ページ)が、ブロンズ社から創刊されました。

  創刊特別企画は「79年のアニメーションをふりかえり、80年のゆくえをうらなってみる」です。

  79年のアニメ界の特徴を、「ヤマトブームをきっかけに、テレビはアニメの位置を見直す方向へ動いた…(略)テレビ視聴者層の中で、アニメ視聴者をはっきりと対象として認めだしたことである…(略)もはやテレビ・アニメは何か?ではなく、テレビ・アニメはこれだ!〓である。テレビ・アニメが明確なひとつのスタイルをもった」ととらえ、1月の「赤毛のアン」から、12月の「ルパン三世」まで、おびただしい数のテレビ・アニメの寸評を載せます。

  カラー特集は、手塚治虫「火の鳥2772・愛のコスモゾーン」、学研「ニルスのふしぎな旅」、アカデミー企画「青い鳥」、梶原一騎・ちばてつや「あしたのジョー」、今田智憲「森は生きている」、日本テレビ「ムツゴロウのどんべい物語」と、秀作を紹介します。

  徹底追究「手塚治虫」では、「火の鳥」作品を通して、手塚は漫画家かアニメーターかと探求します。

  巨匠宮崎駿「オリジナルイメージ設定の一例」は、飛行船のスケッチを使って「この飛行船を楽しいものにしていくためには、まず自分が飛行中のテラスに立ってみることだ。ハンドル操作、ガス調整、夜間飛行中はどこで寝るか、彼女のお茶に蒸気機関のお湯が使えるかなど、それらの情景を絵にしていくと飛行船は、ひとつの空間として、空中に存在し始める…」と、イメージ化していくのですが、段々と読者も飛行船に乗っているような気分になってくるのです。

  連載に「世界アニメ人物史」「日本アニメ最近史」「アニメ作家シリーズ」など、アニメファンにはうれしい創刊号です。もちろん「ドラえもん」も「ベルサイユのばら」も載るのです。

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  遺稿として掲載してきたこの連載は今回で終了します。ご愛読ありがとうございました。

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