■ 〈県議選〉盛岡選挙区は大混戦 減票要因あれども増票は至難
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県議選盛岡選挙区(定数10)は現職、新人、元職の合わせて13人による戦いが繰り広げられている。取材や電話調査で得た情報をもとに終盤の情勢を分析すると、各陣営の選勢はきっ抗。混戦模様となっている。その中で、まとまった組織票や地域的に厚い支持がある自民現職の樋下正信、民主現職の佐々木博、公明現職の小野寺好、岩手政和会元職の吉田洋治の4氏は安定した戦い。しかし、各候補がそれぞれに減票要因を抱えるなど流動的な要素も多く、浮き沈みの激しい選挙になりそうだ。当落の行方は最終日までもつれる。
■当選ラインが大きな脅威に
今回の選挙戦は知名度の高い候補が多い上、政党をくら替えしての立候補や元職の参戦など、従来の支持基盤を流動化させる要素が複雑に絡む。前回1万6286票でトップ当選したザ・グレートサスケ氏は知事選に転出。「飛び抜けて大量得票が見込める陣営はない」「どんぐりの背比べ」というのが関係者の共通した見方。
玉山区(有権者約1万1千人)が加わり有権者は約23万7000人。候補者は前回より1人多いものの、各陣営は当選ラインは上がると見て戦いに挑んでいる。確実な組織票が見込める政党候補でも、当選ラインが1万票に迫ってしまえば高いハードルになる可能性がある。このため当落線上での混戦が予想されている。
■自民の3氏
自民党は現職の樋下、高橋雪文、高橋比奈子の3氏が出馬。衆院選を自民公認で2度戦っている及川敦氏も無所属で立候補し、身内同士の戦いが余儀なくされている。
樋下氏は父親から引き継いだ地盤や業界票を核に、昨年から後援会の各支部で会合を重ねるなど手堅い戦い。前回1万3344票で2位当選しているが、地盤を接する民主党候補の攻勢のほか、支持者の高齢化、他の自民系候補への流出など減票は避けられず、危機感を持って臨んでいる。
高橋雪氏は及川氏の出馬で、前九年や安倍館地区の地盤を割られた格好。前回、機能していた企業の応援も低調なため、若年層や無党派層からの票の取り込みが欠かせない。陣営は若さや行動力を前面に打ち出し、集票に全力を挙げる。
高橋比氏は05年の県議補選で次点の小西和子氏を約1500票上回り当選した。単独選対で初めて臨む本選で票は読みにくい。市中心部は共産党県議だった父親の地盤だったこともあり支持に温度差がある。母親が教職を勤めた玉山区や血縁のある都南地区にも浸透を図っている。
■民主の4氏
民主党は現職、新人合わせて4人が立候補。強気の陣立てで、議席増を狙うが戦いは厳しさを増した。3選を目指す佐々木氏は「もはや、企業選挙は機能しない」と徹底した草の根選挙に切り替え、市北部を中心に票を積み重ねている。競馬問題で地元の支持者の評価が分かれていることが懸念材料だが、着実な運動で支持を広げる。
三浦陽子氏は都南地区の代表候補として、地域をまとめきることができれば安定した得票が望める。地元県議だった村上恵三氏なきあと、都南地区は前回、他候補の草刈り場となった。補選でトップ当選しているものの、単独選対では初めての戦い。PTA活動などで培った人脈で浸透に全力を挙げる。
高橋金兵衛氏は自民から民主にくら替えしての戦い。地元繋の支持者が党派を超えて応援し本宮、太田地区などで票の堀り越こしに懸命。もともと自民支持層の厚い地域で浸透に苦しむが、陣営は「何としても雪辱を果たす」と力を入れる。
高橋貞勝氏は告示1カ月前の出馬表明。出遅れは否めず、知名度不足のばん回に躍起だ。
■公明、共産、社民
公明党の小野寺氏は創価学会など固い組織票に支えられ、安定した戦いだが、浮動票が若手や女性候補に流れることを警戒。組織をフル回転させ県議会唯一の議席を死守する構え。
共産党の斉藤信氏は4選を目指す戦い。陣営は「オール与党の議会の中で、なくてはならない存在」と強調。競馬問題などで強固な論陣を張ってきた姿勢が追い風になると見られるが、当選ラインの上昇は必至。前回8930票からの票の上積みが勝敗のカギを握る。
社民党は盛岡選挙区での現有1議席に加え、阿部静子氏の勇退で失った議席の奪還が至上命題。4日は同党の福島瑞穂党首も来県し盛り上げを図った。
党県連幹事長の伊沢昌弘氏は前々回、前回とも8500票台で当選圏に滑り込んだ。自治労など支持労組をてこに必死の戦い。陣営は「組合の組織率は低下している。家族、友人、知人に再度、働きかけを強める」と最後の踏ん張りにかける。
小西氏は出身の岩教組、高教組を核とした陣営が初当選を目指して勢いづく。05年の県議補選では、わずかな差で涙を飲んでおり、3日の総決起個人演説会では阿部氏が「勝たなければ意味がない」と再度、結束を訴えた。社民支持層を超えた浮動票の取り込みが図れれば、上位当選の可能性も出てくる。
■岩手政和会と無所属候補
岩手政和会の吉田氏は、宮古市長選への出馬で一度、離れた県議会への復帰を目指す。前哨戦で体調を崩し、やや運動が鈍ったが、再構築を図った後援会や岩手友愛会、民社協会など支援組織が猛烈な巻き返しを図っている。最終盤まで攻めの姿勢で支持者の結束を図れるかがポイントだ。
及川氏は衆院選の2度の落選を経て県議選に挑む。自民党からは距離を置き無所属で参戦。ごく身近な支持者が手弁当で応援している。前九年、厨川など地元支持者の盛り上がりも出てきた。組織はないが一定の知名度はあり、票の行方は最後まで分からない。 |
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