2007年 4月 14日 (土) 

       

■ 〈盛岡市議選〉初選挙に燃える玉山区 逆境ものともせず8人名乗り

 「玉山区を市政の空白区にするな」。盛岡市議選は15日の告示を前に前哨戦が展開されている。合併後初の選挙となる玉山区は有権者数が約1万1千人に対して現職7人、新人1人が出馬予定の激戦模様。予想される当選圏2千票の獲得には旧市域へ触手を伸ばさないと、互いにつぶし合いになる。現職にとって都市部の集票は未経験だ。ささやかれる「全滅の危機」は回避できるのか。

 ■調整できず本番へ

  「出馬する勇気以上に、辞退する勇気も必要のはずだが」。告示を目前に区内から嘆息が漏れる。「投票率100%で1万1千票余だ。実際には7千票程度を8人で分けることになると誰も当選できない。事前に調整できなかったのか」と憤る区民もいる。

  ある現職候補は批判を直に耳にした。「有権者数から考えて候補が4、5人なら分かるが、8人も出るなんて何を考えているんだと言われた」。

  旧玉山村議会から在任特例で19人が市議になった。うち辞職した1人を除く11人が玉山区会派所属で、3人が立候補を予定する。残り7人は第1会派4人のうち2人、第2会派2人のうち1人、共産党会派の1人がそれぞれ立候補を予定する。それでも年明け以降2人が見合わせた。

  当初は好摩(巻堀)、渋民、玉山(日戸、薮川など)の3地域から候補を各1人に絞れば、全員当選の可能性が高いと予測された。現実には地域内に複数の候補が立ち、好摩ではIGR好摩駅から続く県道沿いに4候補の事務所が立ち並んでいる。

  市議会勢力の駆け引きや、合併に反対した保守系長老や支持者との関係が修復できぬまま経過し、調整や絞り込みができなかったことを原因に挙げる見方もある。

  合併協議では改選時に旧村議に議席が確保できる定数特例の選択肢もあった。しかし、新市全体の融和を図るため、あえて区割りは選択しなかった。

  支持したのは旧玉山村議会。反対者を除く大多数の区選出の現職市議たちだ。仮に全滅が現実となれば「不出馬の現職も含めて責任を問うべきだ」との声もある。収拾のつかぬまま市議選本番に突入する。

  ■手探りの都市型選挙

  「市政の空白地にするな」「地域を埋没させるな」。11日夜、ある現職候補の「励ます会」。後援会幹部が口々に訴えた。支援した盛岡選挙区県議が応援に駆け付け「1人5票、頑張って10票集めれば当選ラインに届く可能性がある」と柔らかい口調ながらも厳しい現実を突きつけた。

  集まった支持者は地盤と候補不在の隣接地の計100人。候補自身が「これだけ集めたことはない」という。地域の投票率100%で全得票を集めても当選ラインには達しない。

  「都市型の選挙は経験がない。全くの手探り状態だ」。地域の票を確実に獲得する。それを基に旧市域で企業票などの上積みを図る戦いを挑む。

  別の現職候補も話す。「あまり言いたくないが、きょうも旧市域に行ってきた。支持者の親せき、同級生にお願いする。自分は特に厳しいといわれているが、今はそう言われてもいい。こちらも相当の危機感を持って臨んでいる」。区内の現職と協力が結べない中、独自の戦いに勝機を見いだす。

  区内の新人候補は12日夜、盛岡市内丸の桜山神社で総決起集会を開いた。参加は200人以上に膨らんだ。候補と同世代の友人が多く、企業関係の動員もあった。弁士は達増拓也氏夫人、支持県議とその青年部で構成する支援組織の代表たち。

  新人候補は「旧市村の区別はない。どちらかといえば仕事で旧市域にいる時間の方が長い。地域代表の側面もあるが訴えているのは市全体の問題。軸足は地元(玉山区)で市全域に広げていく戦い」ときっぱり。

  7日間の選挙戦。玉山区と旧市域の日数配分を調整している。支持母体の幹部は「区内の数字は出ている。票のウエートを考えれば、どうするべきか分かるはず」と話していた。


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