2007年 5月 1日 (火) 

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉17 及川彩子 ピザ・ブンダバール

 イタリア料理と言えば「ピザ」。世界中の人々から好まれ、日本でもイタリア風ピザが定着したと聞きました。

  食には極めて保守的なイタリアでは、格安の中華料理を除き、外国料理のレストランは、ほとんど見かけません。「イタリア人には何と言ってもイタリア料理」なのです。

  学校の父母の会、子どもの誕生会やさまざまな会食にも、ピザ店が利用されます。イタリアに来た当初は、誘われるたびにお決まりのピザ。そのころは食傷気味でしたが、今では味にこだわりも出てきました。

     
  行きつけの自慢のピザ屋で。Pizzeria “ Wunderbar ” ASIAGO  Italia  
 
行きつけの自慢のピザ屋で。Pizzeria “ Wunderbar ” ASIAGO  Italia
 

  ピザの発祥はナポリ。コロンブスが新大陸から持ち込んだ観賞用トマトを、初めて食べたのがナポリ人。そのソースとナポリ産チーズを、パスタの生地に付けて焼いたのが始まりと言われます。トマトの赤、チーズの白にバジリコの緑を添えると、イタリアの国旗。こうして大評判になりました。

  ここアジアゴには、10軒余りのピザ店があります。わが家の行きつけはブンダバール。「素晴らしい」を意味するドイツ語です。

  第1次大戦の戦没者慰霊塔広場の前にあり、敵国だったオーストリアとの末永い平和を願って名付けたそうです。

  この店は、気前のいいご主人と、民族衣装で出迎えてくれる奥さんの家族経営。チロル風の店の真ん中に据えられたカマドで、生地を器用に伸ばして焼くのは息子たちです。

  ピザの大きさは直径35センチ。厚さは、わずか2ミリほどです。この薄い生地を、パリッと焼き上げるので、お腹にもたれません。子どもでも1枚は食べられます。

  店の自慢は、アジアゴ名産のトッピング。数種のチーズのミックス、生ハム、生ソーセージ、サラミ、馬肉の燻(くん)製、キノコなどを盛ったアルプス高原の味がお薦めです。

  「土地のピザが最高。炭も地物だよ」と言う、こだわりのご主人マッシモのアジアゴなまりも、今では聞き取れるようになりました。


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