今年の桜は去年の大雪に比べれば何の苦もなく咲いたのではないだろうか。日本人の郷愁をそそる花の思い出は、誰もがたくさん持っていることだろう。
私は桜の木の下でバイクを1枚の絵として記録を残すようになったのが40歳になってからであるが、バイクが本当の生きがいという存在に変わったころから、私の自然に対する見方が変わったのである。
生きがいという人生最大のテーマで人は悩むものである。仕事人間が定年した後に自分自身の生きがいを探すことがある。そんなことを思えば私はすでに生きがいを手にしているわけだからこれはとても幸せなことである。
バイクにまたがり桜の木の下で私の感性を1枚の絵にするのだ。そんな感情を持つ私は、普通に風景写真を撮るのではなく、間接的な見方をしてみたいと思い、そんな写真ばかりを撮る。
私の写真には必ずといっていいくらいに文章が連動している。何気なく撮った写真を一話完結のドラマにしてみるのも桜に限らず楽しいことである。
たとえば桜の木の下にバイクを止めて、バイクのタンクに映り込む桜のシルエットを画像として残そうと思ったり、桜の花びらが舞い散る一瞬を息を殺して待つことだってある。大人と呼ばれ成熟した年にもなれば、葉桜に自分自身の人生を回想したりすることもある。
表舞台で宴(うたげ)の主人公になる桜もあれば、人里離れた山奥にひっそりと咲く桜もある。山桜を探し峠道で熟年夫婦がタンデムするバイクとすれ違った。
今、お互いに生きがいを走らせている…
(切り絵師「紙の単車屋」経営、紫波町犬吠森字間木沢30の26、電話019−672−2543、URL;http://www.kamitan.com) |