2007年 5月 6日 (日) 

       

■  作家51人が見せる小宇宙 最後の「40aの玉手箱」展

     
  村田とも子さんの「小夜(ちいさなよる)」  
 
村田とも子さんの「小夜(ちいさなよる)」
 
  第6回40センチの玉手箱展(同展実行委員会主催)が12日まで、盛岡市上ノ橋町のギャラリー彩園子、同U、一茶寮で開かれている。今回で最後。本県ゆかりの作家51人の絵画、彫刻、版画、オブジェなどの小品約150点が展示された。

  人動説など独自の絵画論を展開する大宮政郎さんは鮮やかな色彩の箱型のオブジェ作品「移論なカップル」8点を左右対称に展示。男女の体半分が、レルーフ状に浮かび上がり、性の不思議さ、偶然性などを想起させる。

  写実絵画を描く千葉勉さんは「la gaze」でガーゼそのものをモチーフに描いた。ガーゼの糸を一本一本丹念に描きまるでガーゼが張り付けてあると思うほど精巧。

  音楽技法を絵画に持ち込む荒屋満男さんは、水色に染めたカンバスで「highway」の作品を仕上げた。カンバスの上には動きのある線が走り軽快な躍動感にあふれている。腕の自由な動きと絵筆の円滑な流れを刻んでいる。

     
  岸伸介さんの「島の座」  
 
岸伸介さんの「島の座」
 
  往還をテーマとする岸伸介さんは石彫作品「島の座」を置いた。光沢の部分とむきだしの部分で作品は構成され、激しさと静けさを並列に扱っている。海に臨む島の先頭のせめぎあう情景もイメージさせる。

  物語の世界などをモチーフの一つとする村田とも子さんは丸みを帯びた木の断片で制作したオブジェ「小夜(ちいさなよる)」を並べた。青や緑などの月や家などを配置し物語が生まれる情景を醸し出しながら、日常の暮らしの中の平和な安らぎ、希望などを感じさせる。

  廃材類などを素材とする川口直子さんは半立体的な「満」で棉(わた)や糸くずなどを使用。棉で覆われた表面の下に人間の顔が見え隠れしており、ソフトタッチな作品の中で作家の厳しい目をのぞかせる。

  中堅・若手では浮遊感と緊迫感を漂わす岩渕俊彦さんの版画「asteroid(小遊星)」、自在な動きを示唆する沢村澄子さんの書「予」、写真を素材とした内面に向かう千葉菜穂子さんの「遠野」、人間のまなざしを独自な視点で描く鎌田紀子さんの半立体「どこかをみている」など今後の創作活動が期待される作品も並ぶ。

     
  荒屋満男さんの「highway」  
 
荒屋満男さんの「highway」
 
  同実行委員会の小野英治委員長は「2001年当時、何か閉塞(へいそく)感がありその打破のために緊張感のある場を目指してスタートした。作家にとっても同ギャラリーにとっても一つの実験。参加した作家は40センチの枠の中で自らのテーマに挑戦し続けた。一つの区切り。次の発展のために新たな何かを考えたい」と話した。

  来年で開店30周年を迎える同ギャラリー経営者の村井睦平さんは「全体的に静かな作品が多いが小品ながら密度の濃さを感じる」と話していた。

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