2007年 5月 10日 (木)
■ 初乗り料金520円に 盛岡市内のタクシーが6月から一斉値下げ
盛岡市内のタクシーが6月1日から一斉に、初乗り料金を580円から520円に値下げする。県タクシー協会盛岡支部加盟の16社は東北運輸局に対して4月中に運賃改定を申請した。盛岡地区で料金が値下げになるのは初めて。02年の需給調整規則廃止による規制緩和から加盟外業者が初乗り520円の低料金で相次いで参入し、盛岡地区の競争が激化した。価格競争に打ち勝つため全国の趨(すう)勢とは逆に値下げに踏み切る。
協会盛岡支部の加盟社が運賃値下げに踏み切るタクシー
県タクシー協会盛岡支部によると、加盟の正会員16社と2つの個人協会が値下げ申請した。東北運輸局岩手運輸支局によると7日現在でこのうち13社に認可が下り、5月中には全社認可される見込み。各社はメーター交換などしたうえで6月1日から一斉に値下げを予定している。
盛岡地区は規制緩和の02年から新規参入が7社あり、いずれも加盟外業者で初乗り520円で営業している。このほか県内から盛岡地区に営業拡大してきた4社と合わせると175両増えた。支部加盟930両に対して加盟外がシェアを大きくしており、供給過剰になっているという。
同支部の工藤浩支部長は「盛岡は各社580円でやっていたのでまだ余裕があるとみられたようだ。年々利用者も売り上げも減っている。規制緩和前に比べて利用者は約100万人、売り上げは約10億1千万円減っているにもかかわらず。厳しい状況だが同じ土俵でやらねばならないし、580円ではまだ大丈夫だとみられて増車されたり参入されたりするかもしれない」と話し、競争の激化を口にする。
利用者と売り上げの減少は新規参入によるほか新幹線延伸に伴う交通条件の変化や不況によるものとみられるが、外部から見ると盛岡の経済力に魅力があるためか、全国でも珍しくタクシーが増車しているという。
盛岡市のみたけタクシーの伊藤聖社長は「規制緩和の政策で自由になったことで、ある程度の参入はあるだろうと思ってはいたが、ここまで盛岡に来るとは思わなかった。市場の自由競争の中での需要と供給があるが、需要が増えないのに供給が増えている」と話し、値下げを「苦渋の決断」と受け止めている。
新規参入の業者について「何台か待っていれば520円の安いタクシーが来るというとお客さんがなかなか手を上げてくれない。盛岡以外では手を上げてタクシーを止める習慣がなく流しで営業しにくいため、盛岡の街に乗り出してくる業者が多い」と厳しい実情を明かす。業界では盛岡の値下げが県内に波及する可能性もあるとの見方もある。
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