2007年 5月 14日 (月) 

       

■  「商店街」から「飲食街」へ 盛岡市大通へ外食産業進出やまず

 盛岡市の大通商店街を舞台に外食産業の激烈な戦いが続いている。閉店に追い込まれる地場の飲食店が相次いでいるが、大手同士もし烈な生き残りの競争にさらされているようだ。一方で、外食大手に挑む地場の経営者もいる。表通りではなく裏通りで活路を見いだそうとする店もある。北東北一の集客力を誇る同商店街。競争の最前線に店を構えるのは容易な時代ではなくなった。

     
  外食のさらに大激戦区となった大通商店街  
 
外食のさらに大激戦区となった大通商店街
 
  大通1丁目から3丁目までの路面店での物販と飲食の比率は約7対3。10年ほど前までは9対1の比率で物販が圧倒的だった。しかし、ここ1、2年で比率は急速に変わり、物販が減り、居酒屋や飲食店を中心とする外食が増加した。

  物販の老舗がイオンや郊外の大型専門店出店などよる経営不振や後継者難などで閉店。跡地を賃貸するケースが増えている。狙いをつけるのは大手外食。相次いで進出している。

  結成51年目の盛岡大通商店街協同組合の阿部利幸局長は「ここ数年で当商店街の業種は物販店が減少した。その分、飲食店が増加した。地価が下がったとはいえ市内では高い。それでも県外大手チェーンには低価格の物件と見えるのだろう」と見る。

  吉野家や松屋、なが卯などの牛丼やカツ丼の専門店、ファミリーレストランのガスト、日本海庄や、和民、隠れやダイニング、わんなど居酒屋でも全国規模の外食チェーンが路面にひしめく。低価格と豊富なメニューで周辺のサラリーマンや近隣住民の胃袋を狙う。

  中央通や菜園などで飲食店8店を経営している地場企業のコラゾンの工藤祐二社長は「大通の店舗は地価が下がったとはいえ地場の企業には高い。しかし大手には安い物件。今回の複数の大手の進出には和民の動きが影響を与えている。和民が出るエリアには必ず他の大手が続いて進出する。これは全国的な傾向。今後も県外大手の進出は続くだろう。地場は大変に厳しい。当店はあえて地価の高い路面はやめ、周辺の地区で戦う」という。

  大通1丁目の時遊空間1階には真珠苑直営の居酒屋、魚真が4月に開店した。同社は大通に飲食を中心とした複合商業ビルを3館経営、500人以上の従業員が働いている。

  鈴木社長は「大通は県外資本で埋まる勢い。利益は本社に持っていかれる。地場に還元されない。税金は落ちなければ地域経済が疲弊する。役所も要らなくなる。大変なことだ」と厳しい現状を指摘する。

  「ただ当社でも黙っているわけでない。大手に負けないような店で戦う。魚真は市場で競りで買った魚貝類を、直接店に運びその場で、料理して提供する店として開いた。ランチにも魚をメーンとした定食を出している。地産地消の店。地場しかできない業態で頑張り商店街を活性化しなければ」と力を入れる。

  同1丁目の日本海庄や盛岡大通り店では「商店街に来る客の争奪戦。和民が進出し大手同士の戦いになり大変。大通は外食ストリートになるのでは。いずれさらに戦いが激しくなる」と厳しい表情。

  近々にも新たな外食チェーンが開店の予定。同1丁目の元石井スポーツ(3階建て)には、大手カラオケチェーンが入居する。

  創業74年の橋本屋支店の店主・橋本利男さんは「昔はそば屋で一杯飲んだものだった。そばと酒だとそんなに金もかからない。大変な時代になった」とポツリと話していた。

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