2007年 5月 15日 (火) 

       

■  「ふるさと納税構想」に改革先送りを懸念 達増知事が会見で

 達増知事は14日の記者会見で、政府・与党が創設を目指す方針のふるさと納税構想に対し「アドバルーンとして揚がってかえって抜本的な改革が先送りされる、あるいはそこに手がかからないことの方を恐れている」と、地方税制改革停滞への懸念を示した。イコモスがユネスコに石見銀山の世界遺産登録延期を勧告したことでの平泉の文化遺産への影響については「(平泉は)普遍的価値が問題になっていない」と否定した。

  達増知事は地方分権の観点で「税制は抜本的な税源の移譲、税源財源を国から地方へという大きな仕組みの改革をしていく必要がある。大きな仕組みの改革をやりさえすれば、ふるさと納税のようなことを心配しなくても地方として必要な財源を確保できることになり、そこが本道」と、本質の改革を進める重要性を唱えた。

  現時点でのふるさと納税構想に対する是非については「具体的な提案として出てきていれば検討もできるが、今は雲をつかむような話であり、逆に今は岩手に住んでいてかつて学生時代に過ごしたことがあれば東京に納税してもいいのかとか、どれだけ本当に地方のためになるのか分からないので、具体的なコメントはできないと思っている」と言及を避けた。

  制度化に向けた「作業に手間ひまかけるよりは今すぐ抜本的な税財源移譲をやる方が大事」とし、今度の全国知事会では「本質的な問題として分権という観点からも小出しに数兆円ずついじっていくのではなく、10兆、20兆円という単位で今すぐ地方に移譲していけば地方はちゃんと自立していくということを訴えていきたい」との方針。

  平泉の文化遺産については「石見銀山では普遍的価値の証明が不足しているということが指摘されていたと聞いている。平泉の場合は昨年の国際専門家会議での審議内容を踏まえながら、いろんな専門家の意見を反映させて推薦書作成という作業が進んでいる。その過程で普遍的価値については問題になっていないと承知しているので、石見銀山とは違うと思っている」との認識を示した。

  国民投票法案が同日、参議院で可決し成立した。参院選で憲法改正の争点になると思うかとの質問には「争点というのは有権者の側が決めることであって、有権者を操作しようとかを政治家の側が思ってはいけない。政治家の側は自分たちの理念にのっとり、今一番大事だと思うことを堂々と訴えていけばいい」と争点に関する見解を示した。

  その上で憲法改正については「日本の過去の歴史を反省すると、行け行けどんどんというムードで国全体が押し流されていったことがある」と戦前の経緯を指摘。「中身はどうあれ変えなきゃ駄目だという議論は非常に危険。こういう方向に変えていきたい、そこで手続きを整備したいというのがないと危なくてしようがない」と現状の改憲論議に懐疑的な姿勢を見せた。

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