盛岡市は、地震などの発生に伴い支援を必要とする災害時要援護者約1万8千世帯を対象に、町内会長や自治会長や民生委員、消防団分団長で共有する台帳登録の調査に乗り出す。自主防災組織が各地域で発足しているのに伴い、個人情報保護を理由に民生委員らが個別に把握していた要援護者の情報を任意で収集。地域単位の日ごろの見守りと災害発生時の支援体制を整えるのが狙い。
市地域福祉課によると、名簿に登録するのは▽75歳以上のみで構成される世帯(夫婦や兄弟)▽要介護度3以上の在宅生活者▽身体障害者のうち障害が1〜3級▽知的障害者▽その他援助を必要とする人−たち。
市内の世帯数12万1811世帯に対して、約15%に当たる1万8千世帯(独居を含む)が対象になるという。
調査は、市が提供した要援護者対象リストを基に、民生委員が各担当地区の該当者宅を訪問、制度の内容を説明。地域の支援を希望する場合、台帳登録申し込み書に任意で記載してもらう。
台帳には、申込者あるいは代理人による承諾のサイン、対象者の名前、住所、性別、生年月日、連絡先、年齢や介護度など登録の区分、対象者の状況を記載。災害時に支援する近所の地域支援者の連絡先、離れて暮らす家族の緊急連絡先も記入する。
調査時はあくまで民生委員が本人と証明できるようにし、登録料や防災用品などの配布は一切ないので、悪質商法と混同しないよう同課は注意を呼びかけている。
台帳は該当地区の町内会長・自治会長、自主防災組織代表者、民生委員、消防団分団長、消防本部に配布、共有し、秘密の保持や適性管理など法律上の守秘義務を負う。情報の流出防止を徹底する。
登録は市役所、都南分庁舎、玉山総合事務所の各関係課窓口でも手続きできることになっている。
実施スケジュールは、民生委員の調査期間が6月初旬から7月下旬まで、名簿の配布は8月下旬を予定している。既に各地域で説明会を開き、実施内容や制度について周知をしている。
この制度については既に地域防災計画に明記されており、今年度実行に移すことになった。これまでは町内会や自治会、自主防災組織から個人情報を理由に災害弱者の情報収集が困難だった。独自に収集する地域も出始めており、今回全市的に取り組むことで災害に強いまちづくりを徹底する考え。
同課は「阪神淡路大震災のとき、災害弱者を救助したのはプロの機関よりも隣近所の人が多かった。家族も離れていれば心配なこともあると思うが、地域の日常的な見守りで安心感につなげていければ。任意の性格上、引き続き制度の周知と登録を呼びかけていく」と話している。 |