2007年 6月 1日 (金) 

       

■  〈EU見たまま〜デンマーク編4〉小野吉郎 ルイジアナ現代美術館

 実業家クマール・W・イエンセン氏の亡くなった先妻の名がルイズ。再婚した後妻もルイズ。2人とも同じ名前だったので、創立した美術館を「ルイジアナ」と命名した。従ってアメリカのルイジアナ州とは全く関係ない。

  首都コペンハーゲンから電車で33分。20分おきに中央駅から出ている。この線の終点のヘルシンゴはスウェーデンに行く近道のフェリーに接続している。この沿線はデンマークのリビエラといわれている高級別荘地だ。

  現代美術館のすぐれた先覚者

  ヨーロッパでは個人の力で美術館を建てたケースはそう珍しくない。オランダのクローレル=ミューラ美術館、南フランスのマーグ財団美術館等…しかし将来の見通しの分からない現代美術館をつくるのは冒険だ。その点、このルイジアナ美術館は現代美術の先覚者にもかかわらず、1950年以後のめぼしい名作がそろっている。

  少しおくれて隣のスウェーデンの首都にも現代美術館が開館した。

  まだ、パリのポンピドウ芸術文化センターの計画が実現する前のことだった。ストックホルムのポンティユス・ヒルテン館長は、ポンピドウ・センターが出来上がると、フランス人の有力候補者たちの代わりに、館長に大抜擢された。

  デンマークのリビエラ

  コペンハーゲン中央駅から20分おきに出る電車で、フムレベック駅下車。駅の左側に出て、さらに観光案内所から10分歩くと、ルイジアナ美術館にたどりつく。

  ガラス張りのモダンな建築。ここにはアメリカのアレキサンダ・カルダーの抽象画や、イギリスの彫刻家のヘンリ・ムア等の作品がある。広々とした庭園にはムアの彫刻作品が点在する。非常に環境のよいところだ。

  混乱の多い現代美術

  現代美術とはそもそもどう定義されるか。美術の専門家によって解釈がまちまち。第二次世界大戦後に制作される作品や、生きている美術創作者に限定すると、若くして亡くなった作家や、ピカソやシャガールのように長生きした近代美術の巨匠たちの扱いにも困る。作品の傾向によってきめると、その場合戦前から創作活動していたことにこだわらない。

  各国で起きた現代美術館ブーム

  パリに刺激されてまずベルギーのブリュッセルの王立美術館では土地が狭いので地下を7階まで掘り下げて近代美術と現代美術の部門を充実。スペインのマドリードではソフィア王妃芸術センターではピカソの「ゲルニカ」が目玉だ。オランダではアムステルダムのゴッホ美術館は増築されて内容がより豊富になった。ドイツでもベルリンのハンブルク旧駅の現代美術館。ミュンヘンのモダン・ピナコテーク等。日本でも東京都現代美術館が開館した。

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