2007年 6月 3日 (日) 

       

■  啄木祭で命を歌う 新井満さんが講演も

     
  啄木祭の開幕を飾った渋民小児童の鼓笛演奏  
 
啄木祭の開幕を飾った渋民小児童の鼓笛演奏
 
  啄木祭「啄木のふるさとに満の風が吹きわたる」(同実行委員会主催)が2日、盛岡市玉山区の渋民文化会館姫神ホールで開かれた。会場には600人が来場し満席となった。開幕を飾ったのは渋民小の4年から6年生130人による鼓笛演奏。村山沙紀さん(6年)の堂々とした指揮に合わせ、啄木が作詩した同小校歌「春まだ浅く」(清瀬保二作曲)など3曲を演奏した。

 第1部では作家の新井満さんが、現在もロングセラーを続ける自作のCD「千の風になって」を題材に「いのちについて」と題して講演。朗読と歌も披露した。

  新井さんがこの詩に出合ったのは、友人の妻が亡くなって1年後に発行された追悼文集だったという。不思議な魅力を感じ、そのルーツをたどると作者不詳で題名もないわずか12行の英語の詩に行き着いた。「読む人の魂を揺さぶり浄化する。忘れ果てていた大切なことを思い出すきっかけになる」と翻訳しメロディーをつけたと紹介した。

  「この歌の手柄は死に対するイメージを180度変えたこと」と新井さん。「大切な人を亡くしたとき、残された人はあまりの悲しみに一度、精神的に死んでしまう。だが、墓の前でめそめそすることは死者の望むことだろうか。泣くだけ泣いたら、悲しみから立ち直り、元気な一歩を踏み出すのが死者のため。死者の分まで生きてやろうと思うと、精神的に死んでいた遺族がもう一度再生する。この歌は死と再生の歌であり、命は永遠に不滅と歌っていると思う」と話した。

  このほかコールすずらんの合唱と不来方高校音楽部の手話コーラス、新井さんと山本玲子さん(石川啄木記念館学芸員)の対談「『音楽と文学の遭遇』について」などが行われた。最後は、啄木の詩に新井さんが曲をつけた「ふるさとの山に向ひて」を会場全員で歌った。

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