2007年 6月 12日 (火) 

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉20 及川彩子 ロガツィオーネ日和

 リラの花が満開の5月19日、アジアゴ最大の祭り「ロガツィオーネ」が行われました。この日は、復活祭から数えて40日目の土曜。400年の歴史を誇る、伝統の祭りです。

     
   
     
  ロガツィオーネは「祈願祭の行列」という意味で、起源はペストが大流行した600年代。「ラザレット」という森の小さな教会に祈願するとペストが鎮静したので、市民が行列を組んで、その教会に行き、感謝のミサをあげたのが始まりと言われます。

  その行列が、町の境界線37キロを半日かけて歩くという大きな祭りに発展したのです。行列は雨天決行ですが、今年は最高の日和になりました。

  朝6時、町の中心ドウモの鐘が鳴り響き、市民が大集合。毎年参加しているわが家でも、弁当をリュックに詰めて準備OK。ドウモから、ラザレットを目指す行列は、わが家の近くを通るので、そこから合流です。

  1キロもの行列=写真=は、小さな子どもから、杖(つえ)をついたお年寄りまで何千人。最後尾に司祭たちが続きます。誰ともなく歌いだすアジアゴ民謡が行進曲代わり。ワインやパン、ケーキの入った籠(かご)を持ち、ピクニック気分。

  ラザレットまでゆっくり歩いて約2時間。牧草地や森の道なので、澄んだ空気や草の匂(にお)いに、心まで洗われます。

  小さな子どもは両親に励まされ、若者たちは学校仲間と、老人たちも、おしゃべりに花を咲かせながら、行列は延々と続きます。その光景は、町ぐるみ大家族のようです。

  遠い町に離れて暮らす人たちも、この日だけは、故郷の仲間と一緒に歩く…そんな心温まる祭りが、ここアジアゴにあることを、うれしく思うのです。

  森の中にひっそりと建つラザレットの広場で大ミサ。子ども連れのわたしたちは、ここでリタイアですが、道程はまだ5分の1。行列は、ここからが本番。そして夕方6時、出発点のドウモに帰ってくるのです。

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