2007年 7月 4日 (水) 

       

■  アジアの貧しさに目を 県立大のムース教授が子供たちの悲惨な状況を訴える

 岩手県立大のラジェンドラン・ムース教授の講演会が6月30日、紫波町桜町の志賀理分気神社大広間で開かれた。「困難な状況下にあるアジアのこどもたち」と題して、貧困のため過酷な労働条件で仕事をする子供たち、児童売春の実態などを集まった子供たちに語って聞かせた。

     
  日本の子供たちにアジアの貧しい子供たちの現状を語って聞かせるラジェンドラン・ムース教授(左)  
 
日本の子供たちにアジアの貧しい子供たちの現状を語って聞かせるラジェンドラン・ムース教授(左)
 
  ラジェンドラン教授はインド系のマレーシア人。少年時代には貧しい生活を経験しているという。「日本は豊かな国だが、アジアにはマレーシアのような発展途上国や、ネパールのような最貧国がある。最も大きな問題は子供の問題。アジアには学校に行けない子供や、働いている子供がたくさんいる。1億3千万人の子供が働いている」とアジアの子供の状況を話し始めた。

  特に過酷なのは児童売春。「児童売春も大きな問題。アジアだけで100万人、10〜12歳の子が売春している。これは大変な問題。親が生活をするために子供を売る。タイ、ミャンマー、ラオスの三角地域に児童を売買する大人がたくさんいる。12、13歳でエイズになり20歳前に亡くなる。そういう子供がいっぱいいる。子供の権利を奪っているのは親や大人」と語り、少女たちの犠牲の上で生活する親、人身売買の大人の存在を訴える。

  ストリートチルドレンについて「児童施設には5千万人の子供がいる。路上で生活するストリートチルドレンが4千万人、この子たちには親はない。寝るところ、シャワーを浴びるところもない、毎晩寝る場所を移動する。わたしもストリートチルドレンだった。わたしは家を出て路上で生活していた」と告白した。

  児童売春、ストリートチルドレン、過酷な労働を強いられる子供、さらに深刻な問題として麻薬中毒になっている現状を語り「豊かな日本には、そういう問題はないが、これは地域社会、国、国際問題としてわれわれが協力して考えていかなければならない問題。皆さんは何かをしなければならない。家庭では子供に貧しさを教えなければならない」と訴えた。

  ラジェンドラン教授は8月、社会福祉学部の学生を連れてマレーシアの児童福祉施設で1週間ボランティア活動をすることを紹介。同神社の人形納謝祭で寄せられた人形の一部を施設に持って行き、子供たちのために役立てることを説明した。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします