盛岡市は「市自転車の安全と利用促進に関する条例」制定の準備を進めている。東北の都市の中でも利用度の高い自転車に着目。渋滞緩和に公共交通機関に並ぶ自転車の利用推進を図ると同時に、近年問題になっている自転車の交通事故やマナーに対して関係者の責務を盛り込む包括的な条例。全国でも先駆的な事例になりそう。12月議会での条例提案を目指し、早ければ08年度から施行される。
市総合交通計画の中でも市民に親しまれ、環境にも優しい交通機関として利用促進を図り自転車走行空間確保などの施策に取り組むことをうたっている。
00年国勢調査によると、通勤通学の交通手段に自転車を利用する割合は22%あり、自動車53%、徒歩12%、バス・鉄道10%など。東北の県庁所在地の自転車利用は青森、秋田両市が19%、仙台が16%となっており、盛岡の自転車利用率は高い。
一方、市内で自転車の関連する交通事故は02〜06年度の5年間で1119件と多発。そのうち60歳以上が23・4%、高校生が17・9%を占める。同時に自転車の盗難なども多発している。
交通量が多いことで交通ルールの違反や放置自転車、違反駐輪など利用者のマナーも問題になっている。こうした中で市民団体などが利用促進とマナー向上に取り組んでいる。
条例では交通事故などを防止しつつ、より安全な市民の自転車利用促進を図るために行政、商店街等事業者、自転車販売業者、利用者に「努力義務としての責務」を位置づけた内容を盛り込む。
市ではこれまでも盛岡駅前の自転車駐輪場の設置・管理、放置防止の条例を制定している。他県でも放置自転車対策、施設設置者に駐輪場設置の義務づけ、安全利用などの個別条例が制定されている。今回市が目指す条例はこれらを包括している。
市は06年度までの3年間、同市大通商店街内のパーキングチケット駐輪帯の一部を自転車専用駐輪帯に転換する社会実験を実施。買い物客の歩行空間確保や駐輪マナー向上を調査してきた。
白根敬介建設部長は「現在結果を分析中。規制ばかりではなく利用促進について関連する内容も条例に盛り込むか検討していく」と話している。 |