2007年 7月 15日 (日) 

       

■ 〈胡堂の父からの手紙〉120 八重嶋勲 あくどい運動あったがどうにか再選した

 ■175半紙 明治38年4月18日

宛 東京市本郷区第一高学校寄宿舎中寮
   二番
発 岩手県紫波郡彦部村大巻
前略昨十七日ヲ以テ村長満期選挙會執行候処競争大運動アリタルニモ拘再撰(選)相成候、安心相成度候、尤助力得タルモノ佐藤政次郎、吉田勘四郎、森田市太郎(四ツ屋此人ノ為メ勝ツ)妨害セシモノT・K、同T・I、S・Z等ナリ、尤敵方ハ議員以外ニナシ、彼是費用拾五六円消費致シ候、右報知迄、余ハ後便ト申残ス、早々
    四月十八日    野村長四郎
     野村長一殿
可相成ハ左ノ人々ヘ礼状発シ(ス)ベシ 作山廉太郎、作山利蔵、作山吉太郎、佐藤吉太郎、森田市太郎、佐藤末子松、日下善作、吉田勘四郎
 
  【解説】

「前略、昨17日をもって村長満期の選挙会を執行したところ、あくどい競争大運動があったにもかかわらず再選となった。安心せよ。もっとも助力してくれた人は、佐藤政次郎、吉田勘四郎、森田市太郎(屋号四ツ屋、この人のため勝った)、妨害した者T・K、同T・I、S・Z等である。もっとも敵方は議員以外にはなかった。かれこれ費用15、6円を消費した。右知らせまで。余は後便に申し残す。早々

  (追伸)なるべくは左の人々ヘ礼状を出すようにせよ。作山廉太郎、作山利蔵、作山吉太郎、佐藤吉太郎、森田市太郎、佐藤末子松、日下善作、吉田勘四郎」という内容。

  敵方が、猛烈な選挙運動をしたにもかかわらず、村長選挙に勝利した、安心せよ、と淡々とした手紙であるが、安どと喜びがにじむ。長一、23歳、第一高等学校2年生。長一から礼状を出すように指示しているところは誇らかである。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします