萬鉄五郎記念美術館所蔵の「シバコレクション展」が、もりおか啄木・賢治青春館において9月17日まで開催中である。個人のコレクションによる展覧会の楽しさを十分に味わうことができる。
作品を集めた橋場あやさんは、ご自身もいろいろな方面で活躍されている画家である。
「シバコレクション」の特徴は、ほとんどの作品が、同じ時代を併走する岩手の作家たちの作品であるということだ。多種多様な作品が並んでいるが、網羅的な収集という内容ではない。しかし、やはり何か一本スジが通っているようである。
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数年前、岩手町の石神の丘美術館で橋場あやさんの展覧会を観(み)た。半世紀にわたって制作された作品がほぼ年代順に展示されていた。それぞれに興味深い仕事であるが、筆者は最後の方に飾られた最新作がもっとも面白いと思った。橋場さんはいつでも現在進行形の作家なのだと改めて意識した展覧会であった。
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すぐれた作家は、同時にすぐれた批評家でもある。作家が「次の」作品をつくり出すためには、自分の作品に向けて厳しい批評眼をもたなければならない。そして自作をも乗り越えていく強い意志が必要なのだ。
わたしは、橋場さんの批評眼には信頼を寄せている。集められた作品は、学術的なものではないし、代表作の集合でもない。一点一点、幸運にも橋場さんの目に留まり、集まったものである。さまざまな出会いがあり、一方では、多くのご苦労があったことと想像する。「シバコレクション」は、一人の作家の眼(め)を通した岩手の現代美術の一断面として、貴重な価値をもつものだと思う。
(紙町銅版画工房主宰) |