2007年 8月 8日 (水) 

       

■  〈目に飛び込んできた中国〜日中友好の翼訪中団同行記〉5 泉山圭記者 交流農場

     
  農場の状況を説明する王健強場長(左)  
 
農場の状況を説明する王健強場長(左)
 
  太原市から山あいの高速を約2時間半進んだ山西省の長治市は人口約325万人の石炭と化学工業が主産業のまち。大陸性気候のため、年間降水量が470ミリほどと非常に少ない。太行山脈、呂梁山脈と山脈に囲まれた一帯はただでさえ気温が高い上に空気が滞留しやすく、周辺の土ぼこりや工場のスモッグで常に霞がかかった状態。

  郊外には黄土高原という読んで字のごとく乾いた黄色い土砂の山が連なり、決して農業に適しているとはいえない土壌。しかしながら、住民はわずかな平地を見つけては豆などの比較的乾燥に強い作物を植えている。

  市内には岩手山西会(岸本敬一会長)が1997年に地元政府と協力して建設した長治市日中友好農業技術交流示範農場(王健強場長)がある。約6ヘクタールの農地には果樹園や花卉(き)を育てるビニールハウスが建てられ、日本で改良されたリンゴやナシ、サクランボなどが栽培されている。

  日本よりも収穫期が1、2カ月早い長治市は、既にサクランボの収穫が終わったところ。現在は、リンゴの実が枝に実るが全体的に大きさは小ぶり。この農場でも農産物栽培は乾燥との闘いになる。地下水も少ないこの地域は自然の降雨量だけに頼った農業をせざるを得ない。

  乾き切った土を潤すためにリンゴの幹にペットボトルのようなものをつるし、そこから管を通して水を根元に送る装置を作るなど現地でも試行錯誤が続くが、日本よりアルカリ性が強い土壌もあってか、わいかリンゴは植樹から2、3年で駄目になるという。

  日本と同じように鳥の害もある。サクランボなどは比較的うまく栽培できているというが、実が熟しこれから収穫という時期に鳥につつかれてしまう。農場の職員は、何とかうまい方法はないかと日中友好の翼訪中団で訪れた団員に対処法を尋ね、農業をやっている団員からは「樹木の上に糸を張って鳥よけにしては」という意見も出ていた。

     
  訪中団と懇談する農場関係者  
 
訪中団と懇談する農場関係者
 
  本県で農業を学んだ技術研修生や技術指導員の派遣などにより、日本の農業技術が移転された農場。中国の地にあった栽培方法を見つけるまではもう少し時間がかかるかもしれない。ただ、明るいニュースもある。2年前に開通した太原市と長治市を結ぶ太長高速でこれまでの輸送時間が大きく短縮されたことだ。

  売れる品物さえ供給できるようになれば人口の多い都市部に運ぶルートは整っている。観光客の比較的多い都市ではホテルなどで現地の農産物よりも品質のよい日本の農産物が受け入れられるはずだ。長治市で栽培された高品質の農産物が観光地で食べられるようになる日が早く来ることを望みたい。

(終わり)

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