2007年 8月 16日 (木)
■ 関心低調な盛岡市長選 政党そろって対決放棄
7月末の国政選挙を終え、市内では3日までにポスター掲示場が市長選用に張り替えられた。低調になると予想される選挙戦で、有権者は投票で何を意思表示するのか。
盛岡市長選は現職に新人1人が挑む選挙戦が予想される。4年前と比べて関心は低調だ。春の統一地方選、参議院選・衆議院1区補選と大きな選挙が続き、政党関係者だけでなく一般有権者もややうんざり気味。県内各政党が「戦線離脱」したことで、激戦の構図も争点も見えない。このまま推移すれば投票率が3割を切るともささやかれる。有権者は市長選で何を意思表示すればいいのか。
■燃えない選挙の構図
今回は現職の谷藤裕明氏(57)と新人で会社役員の芦名鉄雄氏(62)の無所属2人による戦いがほぼ確実な情勢だ。谷藤氏の陣営は先月の参議院選・衆議院1区補選直後、谷藤市政と対決姿勢を示す共産の候補擁立の可能性を視野に入れていた。その上で谷藤氏の信任投票との考えで臨む姿勢だった。実際には擁立断念となり、芦名氏との1対1の構図が浮かび上がった。
市内では、芦名氏の選挙運動が金や人員を極力使わず、組織型選と一線を画す独自の戦いだということを、春の知事選を含め過去5度の選挙を通じて知る市民も多い。今回も同様の戦術で挑む芦名氏と谷藤氏との一騎打ちに「争点がない」「現職批判の受け皿がない」との意見がある。谷藤氏の地区後援会内部からも「緊張感が全くない」との言葉が出る。
投票率も低調との観測が強い。現職に新人3人が挑んだ前回03年は53・67%だったが、現職に新人2人の構図だった前々回99年の34・67%を下回る3割未満との読みもある。
市が07年度当初予算で計上した市長選費用は7031万5千円。4年前の4人の候補者数を想定した数字。2人の戦いになれば費用は圧縮されるが、投票率が低いと見込まれる中、争点や対立軸のない選挙に、有権者や陣営内部から選挙執行へ疑問の声も出ている。
■低投票率なら信任を問うことにはならず
谷藤ひろあき事務所の藤沢隆事務長は今回の情勢について「4年間の実績を説明し、これからの4年間の取り組みを訴える機会に恵まれたのはありがたい」としながらも「一市民や政党が政策を出して戦うならいい。対抗する大義があればいいが、財政の厳しい折り、いろいろな選挙に出るような候補が出ていいのか」と手厳しい。
芦名氏は「自分なりの考えがある。ある人から一騎打ちになったら市の財源を選挙に使うのはどうかと言われた。では無競争はいいのか。立候補する人が多いほど市政に活力がが生じる。そのためなら公的資金を使ってもいいのでは」と主張する。「白票でも投票するよう呼びかけたい」と述べた。
市選管はこうした声に対して「被選挙権の行使が民主主義の基本。結果として費用がかかるか、かからないかは別として、選挙になるなら粛々とやるのみ」と話している。
マニフェスト選挙を提唱する斎藤俊明県立大総合政策学部教授は「谷藤市政のこれまでを評価する機会。次の4年間を任せるかどうかをマニフェストで評価する視点で見た選挙戦になる。駄目ならば批判票や白票が入るかもしれない。低投票率なら信任投票は該当しない」と話す。
地方分権、自治体の生き残りが叫ばれる中、県都盛岡のかじ取り役を決める大事な市長選。盛り上がりに欠けるといわれるが、有権者は投票行動に何を託し、何を意思表示するのか。
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