2007年 9月 1日 (土) 

       

■ 〈美術〉迫力を描く 菅田篤さんが回顧展

     
  菅田篤さんと「雪の竜飛岬」(2001年)  
 
菅田篤さんと「雪の竜飛岬」(2001年)
 
  滝沢村の菅田篤さん(70)の初めての回顧展が9月2日まで、同市盛岡駅西通の市民文化ホールで開かれている。絵画を始めて半世紀。38年間の多忙な教員時代にも制作を続け、退職後は「やっと絵を描ける時間が手に入った」と、活動範囲を広げながらますます力を入れている。今展には1961年から今年までの油彩やデッサンなど65点を展示。身近な風景を大切に切り取ってきた作品群が訪れる人の目を楽しませている。

 出展作品の中で最も古いのは「街」(61年)。絵の具も油もたくさん使って、直線的でダイナミックな画面を構築。半具象的な作品群に取り組んだのが60年代だ。

  「少し丁寧に描くようになった」という70年代。72年に三軌会に初出品し入選、会友推挙。同会新人選抜展に出展した「対岸風景」(74年)は、川を挟んで蔵や民家が密集する様子を力強い輪郭線と明るい色彩で表した。

  忙しい教員時代、絵の題材は勤務先への行き帰りの風景に限られたが、自分らしい視点で風景をつかまえるためには、まず何度も見ることが大事と学んだ。イメージが出来上がったら「きょうはあの部分を記憶しよう」と自分に課す。短い時間を最大限に使いながら制作を続けた。

  中学、高校時代を宮古で過ごしたため、海の風景には引かれていたという。退職後は遠出が可能になり、念願の青森県の沿岸を取材。「雪の竜飛岬」(2001年)などの作品が生まれた。

  秋から春先までの風景が好き。最新作「北の湿原」(07年)は冬の春子谷地を描いた作品。例年は雪が深く一面の銀世界だが、暖冬だった今年は雪原を縫う水の流れが現れた。この風景を狙って現場に駆け付けて仕上げた作品だ。

  今展で自作を見直すことは「残り少ない時間を有効に使って、まとまった作品を描くきっかけにするのが狙い」。自身が抱いている懐かしい三陸への思い。今展の後、本格的な取材を始めようと思っている。

  盛岡市生まれ。60年岩手大学学芸学部を卒業し教員として勤務。98年に退職。元三軌会会員、現在はエコール・ド・エヌ会員。

  午前10時から午後6時(最終日は同4時)まで。

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