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講演する谷口学長 |
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県立大の谷口誠学長は1日、国際シンポジウム「持続可能な未来のための教育」(主催・岩手大、県立大)で基調講演し、「東アジアの将来と大学間の連携」と題して国際関係論を唱えた。出席した中国、韓国、タイ、カンボジアの各大学関係者に、「アジア的知性」の涵養(かんよう)による共同体構築を訴えた。
シンポは盛岡市のアイーナで開かれた。谷口学長は「東アジアに共同体をつくるにあたって、1997年から起こった通貨危機は不幸なことだった。アジアが素晴らしいと思うのは不幸を幸福に転じる能力。不幸なことをプラスに切り替えようと、アセアンの通貨安定のためタイからイニシアチブを取って、アセアンプラス日韓中で再びアジアに通貨危機を起こさないようにしようとした。これは素晴らしい発想だった。アセアンは小国の集まりであると言いながら、知恵を出している。そのアイデアは日韓中から出たわけでなく、アセアンが出してきた」と述べ、東南アジア諸国連合の政治力を評価した。
「日本もアジア通貨危機のとき、被害を受けた国を助けようとイニシアチブを取った。新宮沢構想とかアジア通貨基金構想など。中国はアメリカからけん制されてあまり積極的にやらなかった。韓国は困ってIMFに頼っていたが、日本はイニシアチブを取って東アジア共同体の構想が徐々に動いてきた」と述べ、日本外交の主体性を評価した。
近年の動きについて「中国がアセアンとFTAを2010年に向けて結び、韓国も日本もやる。そういう形で動いてきた。アセアンはヨーロッパと違い、政治経済文化宗教が多様性に富んでいる。その中で大国である日中韓が、歴史認識の政治関係で相互理解ができていないのが最大の課題だ」と指摘した。
その上で「安倍首相が北京を訪問して胡錦涛首相と戦略的互恵関係をスローガンとして合意したのは驚くべきこと。日中の戦略的互恵関係とは、今まで日本はイデオロギーの違う国と戦略的という言葉を使ったことはないから。アメリカとは戦略的互恵関係にある。それが中国やベトナムとも戦略的な関係を結ぼうという。戦略的という言葉は難しい言葉だが」と、安倍首相による対中関係改善に期待した。
戦略的互恵関係について「政治的スローガンとしてはできているが中身がない。日中が協力しながらアジアの安定と発展のために尽くすというなら、日中が本当に手を組んで東アジア共同体をつくる。戦略的互恵関係の最もいい先例になるが、なかなかうまく進まない。そこでアジアの大学が互いに交流してやる。アジアの多様性を生かしたアジア型の共同体を構築するため、きょう集まっている皆さんが共同の知恵、アジア的な知恵を出していくことが必要」と訴え、岩手の先人、新渡戸稲造の外交哲学を紹介した。
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