■ 県議会常任委「負担の地方転嫁」 JR貨物の利用料金引き上げ交渉難航で
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県議会総務委員会(工藤大輔委員長)は4日開かれ、この中で新幹線青森開業に伴う、IGRいわて銀河鉄道の新しい指令システムの設置と、これに伴う貨物線路使用料問題が取り上げられた。県はIGRの線路を利用しているJR貨物と国土交通省に対して、20数億円に上ると見られる新システム構築費への応分の費用負担を求めているが、交渉は難航している。JR貨物の走行による経費の増加分を地方が負担している現状は、並行在来線を抱える道県の共通課題。委員からは「他の道県とも協力し、全国的な課題としてインパクトのある問題提起をすべき」との指摘もあった。
新幹線八戸−青森間は工事が順調に進み2010年度中の開業が確実。これに伴い八戸−青森間の東北本線(96キロ)がJR東日本から経営分離される。県境で運行を司る指令を分離することになるため、岩手、青森両県はそれぞれ新しい指令システムを構築する必要に迫られている。
新システムは必要最小限の設備を検討し負担減を図る方針。JR貨物、国交省に対しても、システム構築費に対する応分の費用負担をするよう、貨物線路使用料の見直しを求めているがJR貨物、国交省とも難色を示したままだ。
県によると、本県の並行在来線区間(盛岡−目時・82キロ)を走る貨物列車は1日48本。北海道と首都圏を結ぶ鉄道貨物輸送の大動脈で、年間415万トンの物資を輸送している。
貨物列車は20両編成で約1千トン。IGR列車2両(約70トン)の14倍の重量がある。さらに昼夜問わず、24時間走行するため、軌道の修繕費や変電設備、指令システムの維持費など設備を提供しているIGRの負担は大きい。
しかし、JR貨物がIGRに支払う、現行の線路使用料には、定期的に更新が必要な指令システムを含め、設備更新経費や災害復旧費、固定資産税などが含まれていない。施設、設備を保有する第3セクター鉄道に過大な負担が生じる仕組みで、これは並行在来線を抱える全国各地の共通課題となっている。特に、指令システムは、貨物列車の走行によって、旅客列車のみが走行する場合に比べて過大な機能が必要。現行制度ではその分をJR貨物が負担することにはなっておらず、新システムの構築を控える本県にとっては喫緊の課題だ。
これまで県はJR貨物と国交省に対し、「鉄道貨物輸送の維持は国の運輸政策上の課題」「JR貨物列車の走行にかかる経費を本県側が負担すべき理由はない」と主張してきた。これに対し、JR貨物は「線路使用料の対象項目は国、青森・岩手両県、JR貨物間の調整を経て決定されたもの」とし、負担範囲の拡大を伴う使用料の見直しには応じていない。国交省も「既に解決済み」と冷ややかだ。
県は青森県など関係道県と連携し、JR貨物が担うべき負担が地方に転嫁されることがないよう、さらに働きかけを強める方針。だが、八戸−青森間に続く、青森−函館間、長野−金沢間の新幹線整備が待たれる中、地域によっては新幹線整備促進が優先され、並行在来線問題は二の次になる傾向も否めない。地方の置かれた現状をアピールする世論形成が急がれる。
委員の指摘に答え、藤尾善一地域振興部長は「理不尽な地方への負担転嫁に対しては怒りを持って対処しなければならない。国民的な理解を得られるよう、さらに理論武装し、外に見える形で活動していきたい」と述べた。 |
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