厳格そうな校長先生が不安げに病院を訪れる場面から、おはなしは始まります。その頭に毛がないのは仕方ないとして、もともと尖(とが)っていたらしいアタマそのものがだんだん尖っていくと聞けば、校長先生ご本人ならずとも、ワタシタチまでが心配というか、ソワソワしてしまいます(本当はワクワク?)。
校長先生の異変について、1年生の教室でまことしやかに囁(ささや)かれるのは、エンピツをナイフで削るようこどもたちに強いたことにまつわる、神罰説。その真偽はともかく、不可思議な事態を楽しんでしまうこどもたちと、権威の失墜を目の当たりにして右往左往する先生たちとの対比が、そこはかとなくオカシイのです。これはそのまま、この展開を受け入れることができるかどうかで、読者も試されているかのよう。…おはなしは、症状の解明などそっちのけで、エンピツのように尖った校長先生の頭がホントウにエンピツなのかどうか、という問題に焦点がしぼられ、やがて、集められた全校生徒の前で、その結論が…。
飄々(ひょうひょう)とした語り口がじわじわと利いてくる、おなじみ長新太ナンセンス・ワールドです。
【今週の絵本】『校長先生のあたま』、長新太/さく、くもん出版/刊、¥945(税込)7歳〜(1987年)。 |