2007年 9月 9日 (日) 

       

■ 日本の「指の画家」と中国の「指の書家」 来年、吉林省で2人展

     
  来年、中国で展示する作品を手に思いを語る菊池さん  
 
来年、中国で展示する作品を手に思いを語る菊池さん
 
  盛岡市の画家の菊池如水さん(85)は来年、中国の書家の周宏興さん(71)と吉林省で2人展を開く準備を進めている。菊池さんは指で絵を描く画家、周さんは指で文字を書く書家として日中それぞれの内外で活躍する。当初の予定では9月に北京での開催を予定していたが、周さんの意向で延期になった。代わりに周さんの出身地である吉林省で開くことにした。菊池さんが満鉄時代に過ごした地でもある。菊池さんは「日本と中国の指と指の出合いだ」と話し、絵筆がわりの親指に意欲を込める。

 周さんが昨年、盛岡市の一ノ倉邸で個展を開いた際に菊池さんと出会い、意気投合した。周さんは北京人文大学の創始者。中国書画芸術学院院長で中国人民大学中国文学科教授。書家、教育者として中国国内に知られており知日派として日本と活発に交流している。菊池さんは戦前の中国とのかかわりが深く、ふたりはバックボーンに共通するものを感じ、指を使った技法で互いに芸術家としてのシンパシーを抱いた。

  7月の時点までは9月に北京で二人展を予定していたが周さんの意向で延期した。今年は日中戦争70年の年に当たり、日中関係の行事を開くと中国側に微妙な問題が起きる可能性があることが分かった。周さんの判断によるという。

  菊池さんは「わたしと周さんが一ノ倉邸で会ったとき、中国に仕事しに来ないかという話になり、わたしも中国にいたことがあると話したので、それならもう具体的に北京でやろうとなった。彼は指で書を書き、わたしは指で絵を描く、親指同士で日中友好をやることになった。ところが7月31日に連絡があり、実は日中戦争の開戦70周年の年だったのでちょっと、ということだった。あちらでもこういう企画は初めてだったので慎重になったようだ」と話し、中国の情勢に配慮した。

  菊池さんは「1カ月半遅らせて開くという話があったが、わたしは展示だけが目的でなく、あちらで30枚か40枚くらい描いて持ってきて日本で発表する予定だった。そんなに遅れるのであれば中止にして改めて来年開くことにしよう、来年のオリンピック前に2、3週間の予定で来てもらえないかということになった」と話し、来年は吉林省で2人展を開催する計画に変更した。菊池さんは「むしろその方がわたしのカラーに合う」と改めて意欲を燃やす。戦前は中国東北地方で満鉄に勤務した菊池さんにとって吉林省は心のふるさと。周さんの生まれ故郷で再会を楽しみにしている。

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