2007年 9月 17日 (月) 

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉194 八木淳一郎 宇宙のスケールモデル

 ビッグバンという、とてつもなく大きな出来事で宇宙が開びゃくしたのはおよそ150億年前、この150億年の宇宙の歴史を1年間のカレンダーに縮めてみます。

  すなわち、1月1日に宇宙が誕生し、わたしたちの所属している銀河系は4月になって登場します。太陽系は8月中ごろ、地球は9月の誕生です。9月の末に生命が芽生え、12月21日に生き物は海から陸へと上がり始めます。12月26日にほ乳類が生まれ、27日から29日にかけて恐竜が栄えます。大みそかの午後9時ごろに現れた人類ですが、11時59分51秒になってピラミッドを完成させ、わが国では57秒に大和朝廷ができます。59・2秒にガリレオが初めて望遠鏡を天体に向けてみます。59・93秒、アポロ11号で人類は初めて月に降り立ちます。それから0・07秒後にわたしたちがこうしている、という訳です。このように宇宙の歴史を1年にしたものを宇宙カレンダーと呼んでいます。

  時の流れを縮めてみたようにして、今度はほかの星や天体までの距離や大きさなどを身近なものに当てはめて縮めてみるとどうなるか、試してみましょう。

  岩手公園の南部公銅像の台座の上にスイカを1個置き、これを太陽に見立ててみましょう。すると、わが地球は盛岡市役所の屋上に置いた1粒のゴマです。太陽系最大の惑星木星は、アイスアリーナの玄関に置いたアンズの実です。最果ての惑星である海王星は、御所ダムの付近にあるラッキョウでしょうか。

  一方、太陽に1番近い恒星は約4光年の距離にあります。太陽や星を海に浮かぶヤシの実に例えてみますと、陸中海岸とカリフォルニア沿岸に1個ずつ浮かんでいる勘定になります。また、銀河系とお隣のアンドロメダ銀河は230万光年の距離にありますが、それぞれをカボチャの大きさにしてみます。すると、10メートルほど離れた八百屋さんに1個ずつある格好になります。

  しかし、これでもまだ混み合っている方なのです。宇宙空間はもっと空虚な何もないところが圧倒的に多いと考えられます。そうなれば、星と星や銀河同士の距離すなわちスイカ同士、ヤシの実同士、カボチャ同士はもっとずーっと離れているでしょう。その上、宇宙が膨張し続けているとなれば、これからもっと遠く離れ、互いにますます孤独な存在となってしまいます。

  夜空を見上げれば、あまたの星が輝いていて、ことにも天の川など2千億の星が密集して帯状の雲のようになっているのですが、それでも星と星の間はこんなにも離れています。宇宙がいかに広大であるか、ということなのでしょう。
(盛岡天文同好会会員)

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