2007年 10月 2日 (火) 

       

■  〈寄稿〉加賀美屋の家訓「来者如帰」 吉田晨風

     
   
     
  NHK朝のテレビ小説「どんど晴れ」が無事終わりました。番組の舞台となった旅館「加賀美屋」の家訓「来者如帰(来る者帰るがごとし)」を書かせていただいた者として、大好評のうちに終わったことを喜んでいます。

  台本をいただいてから東京・渋谷のNHKの撮影現場を訪れたり、NHKチーフプロデューサー内藤愼介さんからドラマへの熱い思いをうかがったりしてドラマのイメージづくりから始まり、内容にふさわしい家訓となるよう揮ごうに取り組みました。

  1年以上前のことがついこの間の出来事のように思えます。

  「来る者帰るが如し」はお客様が、わが家に帰ってこられたようにくつろいでいただけますように、という意味です。

     
   
     
  ドイツのローテンブルグの城壁にドイツ語で「来たる者に安らぎを、去りゆく者に幸せを」とあるのを見つけて、宿として一番大切なことは国が変わっても同じなのだと改めて実感したようです、と京都・柊(ひいらぎ)家の女将(おかみ)、西村明美さんが父について語っている中にもこの言葉が使われています。

  このドラマは都会育ちのヒロインが、伝統と格式のある盛岡の老舗旅館で、女将修業をすることによって、従来の日本にあった、おもてなしの心や大家族のよさの中から、人を思いやる気持ちに気づいていく姿を描いたものです。

  自分は、盛岡の人々の温かさを感じてもらえれば、というチーフプロデューサー内藤さんの意図を十分くんで、期待に応えようと書き込みました。

  幸い、この番組は老舗旅館という場を借りて「思いやり」や「気配り」といった、古くから日本人が大切にしてきた価値観を見詰め直すドラマと思って見ていました。

  夏美役の比嘉愛未さんが撮影が進むにつれてどんどん大きくなっているというか、どっしりしてきたというか、他の役者さんやスタッフの皆さんに囲まれて、毎日さまざまなものを吸収しているのが分かって、これも楽しみの一つでした。

  自分自身も、夏美の活躍を通して人と人とがしっかりとじかに向き合うことの大切さを教えられました。

  この素晴らしいドラマで、岩手の方々はもちろんのこと、全国各地の方からも声をかけていただき、かかわった1人として貴重な体験をさせていただきました。この経験がこれから地元のためになるよう、気持ちを新たにこれからも努力したいと思います。

  多くの人に最後まで「どんど晴れ」を声援していただき、感謝に堪えません。

  (本名=和裕、盛岡二高教諭)

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