2007年 10月 8日 (月) 

       

■  〈賢治の歌〉895 望月善次 空青ければ裸となり

 〔そら青ければはだかとなりいのり
  つちをほり
  すなつちをほりいのりつちをほり
 
  〔現代語訳〕空が青いので、裸となって祈り、土を掘り、砂土を掘り祈り、土を掘って。

  〔評釈〕「大正八年八月以降」〔歌稿〔A〕〕四十六首中の三十六首目の「750歌」。「歌稿〔A〕」では、結句は、当初「ほる」であった。ここでも、短歌定型とのかかわりを問題にせざるを得まい。抽出歌を短歌定型に沿ってどう句分けをするかは、意見も分かれようが、五つの句切り、五七五七七をできるだけ生かすという原則に立ち、音数と共に示すと、例えば、次ようなものが考えられる。「そら青ければ(七)はだかとなりいのり(九)つちをほり(五)/すなつちをほり(七)いのりつちをほり(八)」。初句の七音、第二句の九音、結句の八音が問題となろう。初句の七音は例もあるが、第二句の九音は逸脱性高く、結句も二音一拍では「いの・り×・つち・を×・ほり」と五拍となり不安定感が高い。「短歌」か否かのギリギリの所に立っているのだということのみを記しておこう

(岩手大学特任教授)

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