2007年 10月 9日 (火) 

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉196 八木淳一郎 栗名月と秋の空

 中秋の名月は今年の場合、9月25日の十五夜でした。もう一つ、栗(くり)名月といってその後に訪れる十三夜の月もぜひ、愛(め)でてみたいものです。

  今年は10月23日がその日に当たりますので、栗を供えて、あるいは食べながらでも満月の少し前の月を目にしつつ、さまざまに思いを馳(は)せてみる
のも一興かと存じます。

  名月に望遠鏡を持ち出すなど興ざめな、との風流人のお叱(しか)りを受けそうですが、せっかく空気が澄んだいい季節です。

  9月の芋名月が満月なのに対して、栗名月はそれより少し欠けている月ですし、欠け際のクレーターなど月の地形も一緒に楽しんでみてはいかがでしょう。

  秋の空は、地上のメランコリックな雰囲気に呼応するように、ちょっぴり寂しい感じがあります。それもそのはずです。

  一等星は、その名も「秋の一つ星」と言われる南のうお座のホーマルハウトが、南の空低くポツンと光っているだけなのです。寂しい秋の星空に、なんとか元気印をという意味で、栗名月を望遠鏡で楽しんだついでに、天王星にもレンズを向けてみたいものです。

  この名月の夜、偶然にも天王星は月のすぐ南側に位置しています。ただし、肉眼では見ることはできないでしょう。望遠鏡の視野の中に浮かぶ神秘のエメラルドグリーンの姿は、ちょっとしたため息ものです。

  寂しげな秋の夜空ですが、夜半過ぎには12月の小接近を控えた火星がふたご座の星とともに上ってきますし、白々と夜があけるころ、明けの明星である金星がまばゆいばかりの光を放ちながら、くっつくようにして並んだ土星と一緒に東の空に登場します。

(盛岡天文同好会会員)

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします