達増知事は9日、2010年度からのポスト高校再編計画について「教育委員会で来年度、有識者による検討委員会を立ち上げ、現在の計画の達成状況を検証しながら、将来の高校のあり方について検討を進める」と述べた。検討に際しては少子化を前提とした上で、教育的観点とともに地域振興の観点が必要との認識を示した。県議会本会議で、久保孝喜氏(政和・社民)の一般質問に答えた。
久保氏は現在の県立高校新整備計画の再編後の「事後評価は重要。どう認識して取り組んでいくか。整備計画以後の展望は」と質問。
達増知事は09年度までの計画に基づいてこれまで「着実に進めてきている」とし「今後も計画の目標達成のためしっかりと取り組むことが必要」と現状認識を示した。
一方で地域から高校がなくなる場合には「家計にとっては無視できない負担になっている場合もあると考える。過疎化や地域の衰退に拍車がかかるのではないかという将来への不安を地域にもたらしていることも事実」と実情を受け止めた。
ポスト再編計画の具体的な検討は検討委に委ねたいとしながら、自身の考えを披瀝(ひれき)。少子化により生徒減少が見込まれる中で「社会的に有為な人材を育てるという観点に立って、高校教育のあり方を総合的に見直していかなければならない」と議論の前提要件を挙げた。
教育的な観点については「生徒一人ひとりのニーズの多様化を踏まえて個性的な学びの場を保障していくこと、学力と人間力の両面を兼ね備えたたくましい人材を育成していくことが重要」とし、多部制高校や中高一貫教育校など特色ある学校づくりを検討する必要を指摘。
高校生という発達段階にあっては「ある程度の学校規模を確保するための再編という考え方は必要になる」との考えを示した。
地域振興の観点では「県内各地域における農林水産業、製造業、サービス業など、それぞれの地域の特徴を生かした産業振興のあり方とマッチした人材育成のあり方を検討しなければならない」と、地域産業と実業高校との関連などを例に挙げた。
さらに「NPO法人による学校設置など、さまざまな形での地域の活力や民間活力を生かした新しい学校づくりのあり方についても十分念頭に置かなければならない」と述べた。
久保氏の地域事情を踏まえた学級定員数を減らす提案については「一つのポイントとして議論の対象になっていくと思う。切磋琢磨(せっさたくま)していくために必要な人数、地域のために必要な人材確保という観点からの規模といったことを含め総合的に判断されていくと思う。基本的には、憲法が保障する教育を受ける権利、学ぶ権利というものを一人ひとりの子供にどう保障していくか、希望を持って岩手の子供たちが未来に進めるように整備していかなければならない」と答えた。
教育委員会員、土地利用審査会委員の任命に関する議案2件が追加提案され、同意された。安藤厚教育委員長は10日で委員を退任し、代わりに八重樫勝前八幡平市教育委員長が任命される。 |