〔あはれ見よ青ぞら深く刻まれし大
曼陀羅のしろきかゞやき〕
〔現代語訳〕ああ、ご覧なさい。青空深く刻まれた大曼陀羅(まんだら)の白い輝きを。
〔評釈〕「大正八年八月以降」〔歌稿〔A〕〕四十六首中の四十首目の「756歌」。以下「大曼陀羅」にかかわる三首が続くわけであるが、一行を開けて、この三首が特別なものであることを示している。「曼陀羅(マンダラ)」はサンスクリットのmandalaの音訳。本来の意味は、「仏の本質」であるが、日本や中国では、仏・菩薩が充満しているさまを図示した「形像(ぎょうぞう)
曼陀羅」を言う場合が多い。表現法によって四種に分かれるが「大曼陀羅」は、そのうち「本尊の尊容」を描いたもの
〔『マイペディア』〕。仏教的世界を正面から歌っているが、大正八年は、「世界唯一の大導師日蓮大上人ノ御前に捧ゲ奉リ」〔嘉内宛書簡166〕の年。抽象的概念は、短歌とするのが困難なものの一つ。
(岩手大学特任教授)
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