2007年 11月 5日 (月) 

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉198 八木淳一郎 しし座流星群は果たして

 今年もまた、しし座流星群の季節が近づいてきました。予報では11月17日から18日にかけてが出現のピークです。この前後数日も油断は禁物です。そのころは上弦の月がありますが、夜半近くには西の空低くなり、やがて沈んでしまいます。流星は一般に夜半過ぎから明け方にかけての時間帯にたくさん現れます。それは、地球の自転の方向と流星群の軌道とが正面からぶつかる格好になるからです。春の星座であるしし座が東の空に顔を出し始めるのもちょうど夜半ころ。さあ、こうしてみると今年は条件がいいようです。あとは、流星のもとになる物質の密集している部分がタイミングよく遭遇してくれさえすれば、もうまちがいなく天空の一大ショーの始まり!、となるのですが、果たしてどうでしょうか。

  思えば6年前のしし座流星群いや流星雨は夢のようでした。運良く目にした人には生涯忘れられない出来事です。このとき見られなかった方々にはぜひもう一度そのチャンスが訪れて欲しいものです。その素晴らしさは筆舌には尽くせません。そのチャンスは約束されたものではない以上、あきらめない根性が大事です。あの至福のときがそうでした。

  盛岡ではその日、夜半過ぎて午前2時あたりまで空一面厚い雲に覆われていました。時計の針が午前2時を示したころです。雲に切れ目が生じ、その薄くなった雲を通してパッパッと空が光っているではありませんか!ひょっとして、雲の向こうにたくさんの流星が飛んでいるのではないか。半信半疑ながら居合わせた者全員、かたずをのんで曇り空を見つめておりました。2時半を回ったころから、徐々に雲が切れてきました。そのわずかなすき間から星空がのぞいています。そして、そのどこもかしこも流れ星が飛んでいます。ついには雲が消え、目の前はもう満天の星空です。いつもと違うのは、本当に休むことなく星空の全方位に流れ星が飛び交っていることでした。あるものは岩手山に突き刺さるように。あるものは3つ4つと仲良く並んで。あるものは煙のような痕跡を残して。そしてあるものは激しく燃えるように赤や緑と色を変えながら!実に二千個以上もの流れ星が2時間の間に現れたのでした。気がつけば空はうっすらと青味がかり、夜明けが近いことを告げていました。見慣れた星が一つまた一つと明るくなった空に消えていきます。それでもなお別れを惜しむように次々に現れる流星たち。思わず、ありがとうと心の中でお礼を言いたい気持ちにかられるほどでした。船を追いかけるイルカの群れに出合ったような不思議な感覚でもありました。

(盛岡天文同好会会員)

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