色とりどりの表紙は、なにも明るい色調での彩色のせいばかりではありません。それを構成しているのが、地球上に暮らすさまざまな動物たちだからなんです。地上、水中、そして地中、現在地球には約150万種の生物がいるらしいのですが、その中からほんの一部、(ミョーにマニアックな手合いもありますが、ここでは一般の)こどもたちにもおなじみの顔ぶれが登場して、その姿かたち、テリトリー、誕生から死、そして連鎖という自然界のありようを、楽しく紹介してくれるのが今週の作品。
ほんの一部、と書きましたが、夫婦で活動している作者コンビがここで描いているのは、小さな昆虫からは虫類、両生類、鳥類、ほ乳類と、膨大な種類と個体数。とにかく多くを紹介するために博物館のパノラマ様の構図にはなっていますが、そのどれもが写実的で生き生きとしていて、ところが愛嬌(あいきょう)というか、ほほえみさえ浮かべつつ描かれているのがスゴイ。得も言われぬ温かさ、ここが図鑑とはちがうところです。大人にもははぁ、へえぇと嘆息させる内容も兼ね備えた、ぜひ本棚に加えておきたいと思わせる一冊なのです。
【今週の絵本】『みんなちきゅうのなかまたち』I&D・シューベルト/作、よこやまかずこ/訳、光村教育図書/刊、1365円(税込み)4歳〜(1994年) |