2007年 11月 15日 (木) 

       

■  〈北Gのライブトーク〉12 北島貞紀 藤井ジャズスクール

 3回にわたって、僕の練習日課の話を書いた。ではその練習の最終目標は何なのかを書いてみたい。

  30年ほど前、僕は大阪の北新地で、ピアノトリオの仕事をしていた。大学を卒業してバンドの世界からいったん足を洗ったのだが、1年もせずにまたバンドの世界に戻って、今度は腰をすえて音楽をやってみようと思っていたころだった。

  そんな時、京都で藤井貞泰氏が教えているという話を聞いて、その門をたたいた。藤井貞泰は、渡辺貞夫のバンドに在籍したり、ジャズ理論の本やアドリブの採譜譜面を出版していたジャズピアノの重鎮である。

  氏のレッスンの仕方は独特で、氏がウッドベースを弾き、生徒がピアノを弾く。常にデュオの形をとるのだ。初めてレッスンに行ったとき、バンドをやっている話をすると

  「じゃぁ、ブルースをやってみるか」ということになった。僕は、巨匠を前にすっかり上がってしまって、アドリブに入ると走ってしまった(走るとは、最初のテンポより早くなること)。

  「一人だけで行ってどうするんだ。行くときは、一緒に行く、相手の音をよく聴け」

  その後、2年間ほど京都に通った。ピアノを弾くことに関して、次のように言われた。

  「歩くとき、意識して足を出すか?自然に足が出て歩くだろう。そんな風にピアノを弾け」

  そう、これが僕の最終目標です。ピアノとの一体感、「人馬一体」(随分古いね)という言葉があるけど、まさにその境地だ。その道は、まだまだ果てしなく遠い。

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