2007年 11月 16日 (金) 

       

■  「いじめ」は1513件 定義見直しで前年の20倍以上に

 06年度に県内の公立小中学校、高校、特別支援学校で把握された「いじめ」は1513件だったことが15日、文科省の児童生徒の問題行動等調査で分かった。いじめの定義が、いじめられたとする児童生徒の気持ちを重視したものに見直された結果、前年度の69件から大幅に増加。人間関係で苦しむ多くの子供の存在が改めて浮き彫りになった。いじめる子、いじめられる子、双方の気持ちに寄り添う、きめ細かな対応が求められる。

 県内のいじめの認知件数は小学校685件(前年度14件)中学校621件(同20件)、高校189件(同35件)、特別支援学校18件(同0件)でいずれも前年度より大幅に増加した。いじめを認知した学校は376校。公立学校総数に対する1校当たりの認知件数は2・07件で全国の3・2件を下回った。

  いじめによる自殺が相次いだことなどを受け、文科省は06年度からいじめの定義を見直し、従来の「自分より弱いものに対して一方的に身体的・心理的な攻撃を継続的に加え相手が深刻な苦痛を感じているもの」から「児童生徒が一定の人間関係のある者から心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」に変更。県内の学校でもアンケートや個別面談を実施し実態把握に努めた。

  いじめの態様は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、いやなことを言われる」が全体の46・6%と最も多く、次いで「仲間はずれ、集団による無視をされる」が20・7%。パソコンや携帯電話での中傷など周囲から分かりにくく、陰湿化する新たなケースへの取り組みも課題だ。

  いじめの発見のきっかけは、小学校が「アンケート調査など学校の取り組みにより発見」が最も多く、中学校、高校は「本人からの訴え」が最も多かった。

  県教委が06年度に実施した調査でも、一過性のからかいやトラブルではなく継続した指導が必要と認められた、いじめが1817件あった。今年度は臨床心理士などの資格を持つスクールカウンセラーを中学校90校、高校1校に配置。地域の拠点となる5つの高校にも1人ずつ高校スクールカウンセラーを置くなどして対応を強化している。

  県教委の田村幸義特命参事(学校不適応対策)は「いじめの定義が変更された結果とはいえ、重い数字と受け止めている。研修による教員の資質向上や相談体制の充実に引き続き取り組みたい。良好な人間関係や社会性を養う教育が必要。いじめは絶対に許されないという認識を日常の指導の中で徹底したい」と話している。

  文科省へ報告した県教委のまとめによると、病気や経済的な理由などを除いて年間30日以上欠席した県内の不登校の児童生徒は、小学校が158人(前年度145人)、中学校が1038人(同995人)、高校が524人(同474人)でいずれも増加した。不登校の児童生徒は学年が進むにつれて増える傾向にあるが、特に、中学1年は260人と、小学6年(56人)の約4・6倍に急増。「中1ギャップ」の深刻さが浮き彫りになっている。

  指導の結果、好ましい変化が見られた児童生徒の割合は小学校約61%、中学校約52%、高校約47%だった。

  暴力行為は発生件数115件(小学校15件、中学校39件、高校61件)で前年度より11件減った。生徒間暴力が最も多く全体の4分の3を占める。前年度と比較し小学校は生徒間暴力が7件増加、中学校は生徒間暴力が13件増加したが、対教師暴力が10件減少している。高校では器物損壊が15件減少した。

  高校中途退学者数は前年度より33人増え554人。退学理由は「学校生活・学業不適応」が44・9%、「進路変更」が23・5%となっている。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします