盛南開発の事業実施主体である都市再生機構(本社・神奈川県)は、盛岡市が主要行政施設用地5・2ヘクタールの取得を断念したことを受け、民間へ売却公募する方針を決めた。11月30日の同市議会建設常任委員会で同機構の小林一岩手都市開発事務所長が発言。「2013年度(平成25年度)の事業完了を考えると可及的速やかに対応しなければならない」と述べた。地区計画で市取得のために限定した主要行政施設用地の表現を変更し、土地鑑定による価格設定を経て具体的に公募を開始する。
小林所長は、谷藤裕明市長が11月15日に本社の神奈川県横浜市へ出向き、取得断念を正式に伝えたことを踏まえ「機構としては91年(平成3年)の覚書にある通り、(同用地に)市庁舎が来てもらうことが一番と考えているが、やむを得ない。そうなれば次のことを考えなければならない」と説明した。
盛南開発は区画整理事業として保留地の売却益を資金に事業を展開している。機構側は07、08年度までに保留地でもある主要行政施設用地を売却することで、13年度に健全な状態で事業完了に結びつける考えだった。
保留地を売却できない現状では、事業資金を金融機関から借り入れて資金に充てる。保留地の売却益なら負担することのない利子まで返済することになり、支出が増える。
民間公募に向けては地区計画の変更手続きと用地を鑑定して価額を算出するなどの準備が必要で、小林所長は「準備は今すぐにでも入りたい」と述べた。
市によると、地区計画は市の権限で変更手続きを進める。民間公募のために「主要行政施設用地」の表現を取り外し、市都市計画審議会での審議、県の同意を得るなどの手続きが必要だ。手続き完了は最短で半年、長ければ1年間かかるという。新沼正博市都市整備部長は「用地の性格上、早く変更し、それにより機構が売却処分手続きに入ってもらいたい」と述べた。
同用地は都市計画法上の用途地域で「商業施設地域」に指定されている。盛南地域選出の金沢陽介委員(盛友会)は「商業施設として大規模集客施設、マンションに売却する可能性もあるのか」と質問した。
小林所長は「用途については今まで地元で理解いただいている範囲であまり変わらない。商業施設があの面積でできるかは相手次第だしマンション建設も可能。非常識なものはできないだろう。地区計画で認められた範囲内で処分する」と答えた。 |